ながしま事務所通信


~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~

第37号 平成20年7月 発行

コラム画像 コラム:当職が感じたことを徒然なるままに綴ります。

解説用画像
事務所へ移転しました
 


~スタッフのモチベーション向上に期待!

 当事務所は、7月7日をもって新事務所へ移転いたしました。旧事務所(上地自動車学校南)
から西へ約1㎞、喫茶サッチモ(岡崎市南部在住の方なら皆が知ってる?)の隣の真っ白い建
物が新事務所です。

 上地自動車学校の南に事務所を構えて3年、ようやく事務所の場所が認知され初めてきたと
ころ、つい10ヶ月前までは事務所を建築して移転する気などさらさらありませんでした。ただ、
新事務所の敷地は数年前から売りに出されていて、気になっていたのは事実です。懇意にしている不動産業者さんに「あの土地気になるんですけど…」と何気なく言った一言からとんとん拍子に話が進み、あっという間に事務所移転となってしまったのが本当のところです。

 新しい事務所をつくるに当たって、一番考えたのは実は「当事務所のスタッフにとって働きやすい環境をつくる」ということでした。もちろん、お客様のための配慮(プライバシー、バリアフリーに配慮した相談スペース等)も十分にしたつもりですが、それ以上にスタッフに対する配慮(事務所敷地内にスタッフ用駐車場を確保、明るく使いやすい事務スペース等)をして事務所を建築しました。

 常々、「お客様のため」と言い続けてきた当職がなぜ「事務所スタッフのため」の事務所をつくったのか?事務所の労働環境が良くなればスタッフのモチベーションがあがります。スタッフのモチベーションが上がればサービスの向上に繋がります。サービスが向上すればお客様に喜んでもらえます。 結局は「お客様のため」なのです。

新事務所では、当事務所自慢のスタッフ陣が今まで以上のサービスをもって対応致します。お近くにお越しの際は当事務所へ是非お立ち寄りください

解説画像 解説:登記・相続・裁判等司法書士に関連の深い事項を解説していきます。


登記識別情報の取り扱い


~権利証の暗証番号化

 不動産登記法が改正されて約3年。現在、ほとんどの法務局において新法の運用が始まり、
「権利証」に替えて「登記識別情報」の交付がなされるようになっています。ただ、一般の方々
にとってまだ「登記識別情報」は周知されていません。そこで、本号ではその「登記識別情報」
について解説したいと思います。

Q1  登記識別情報とは,何ですか。
A1  登記識別情報とは,登記の申請がされた場合に,当該登記により登記名義人となる申請
人に,その登記に係る物件及び登記の内容とともに,登記所から通知される情報をいいます。
登記識別情報は,アラビア数字その他の符号の組合せからなる12桁の符号で,不動産及び登記名義人となった申請人ごとに定められます。
  この登記識別情報は,本人確認手段の一つであり,登記名義人本人による申請であることを登記官が確認するため,登記所に提供してもらうことになります。

Q2  登記識別情報は,どのようにして通知されるのですか。
A2  登記所から登記識別情報を通知する場合には,秘密を保持するため,次の方法により通知されます。書面申請の場合は,通知書の登記識別情報を記載した部分を覆う目隠しシール(はり直すことができないもの)をはり付け,本人以外の者がシールをめくって登記識別情報を盗み見た場合には,その痕跡が明らかになるような工夫をして,登記所の窓口において,本人を確認した上で交付する方法で通知することになります。オンライン申請の場合は,申請人が申請時にあらかじめ送信した専用の公開鍵を用いて登記識別情報を暗号化し,これを申請人がダウンロードする方法により通知することになります。

Q3  登記識別情報が盗まれた場合には,どのようにしたらいいのですか。
A3  盗まれた登記識別情報が不正な登記申請に用いられることがないようにするため,登記名義人又はその相続人その他の一般承継人は,登記官に対し,登記識別情報についての失効の申出をすることができます。

Q4  登記識別情報が盗まれた場合には,勝手に登記されてしまうのでしょうか。
A4  オンライン申請では,登記識別情報だけでなく,電子署名及び電子証明書を併せて提供することとし,二重の本人確認手段を採っています。書面申請においても,登記識別情報だけでなく,印鑑及び印鑑証明書を提出することになります。
他方,現在の登記済証(権利証)の制度は,本人が登記済証を適正に管理している場合であっても,登記済証自体を偽造することにより不正な登記申請がされるという事件も発生しており,最近のカラー複写・印刷技術の向上から,これらの偽造事件の未然防止が非常に困難な状況になりつつあります。
登記識別情報は,それ自体を偽造することは,事実上不可能であり,登記済証の制度よりも,安全性が高まると考えています。

Q5  登記識別情報を亡失した場合は,再通知されるのですか。
A5  登記識別情報は,登記完了時に通知するものとされているため,その再通知は,認められません。

Q6  登記識別情報は,どのようにして管理すればよいのですか。
A6  登記識別情報は,本人だけが知っている情報であることが前提となるものです。したがって,登記識別情報の管理については,第三者に盗み見られないような方法で管理する必要があります。書面で交付する登記識別情報通知書については,登記識別情報を記載した部分を覆う目隠しシールをはり付けて,第三者に盗み見られないような工夫がされています。この目隠しシールをはがした場合には,通知書を封書等で封印した上で,金庫等に保管することが望ましいでしょう。
また,オンラインで送信された登記識別情報は,復号化しないまま電子媒体等に保管し,復号ソフトとともに適切に管理することも考えられます。ただし,媒体は経年劣化のおそれがあるので,定期的な格納媒体の更新が必要になります。その他,復号化した登記識別情報を書面に印刷し,これを封筒等に封印して金庫等に保管する方法が考えられます。

Q7  登記識別情報については,確率的に,でたらめに入力したものが正しいものと偶然に符合してしまう可能性はないのですか。
A7  登記識別情報は,アラビア数字その他の符号の組合せによる12桁の符号ですので,現実的には,正しい登記識別情報に符合することはあり得ないと考えられます。
また,登記申請の際,誤った登記識別情報の入力が繰り返されたときは,申請人以外の者が申請していると疑うに足りる相当な事情がある場合に該当するものとして,登記官が申請人やその代理人を呼び出す等して,本人確認をすることがあります。

Q8  登記識別情報に関する有効証明制度とは,どのような制度ですか。
A8  登記名義人又はその相続人その他の一般承継人は,登記官に対し,手数料を納付して,登記識別情報が有効であることの証明を請求することができます。この証明により,登記申請の前に有効な登記識別情報を有していることを証明することができます。

Q9  登記識別情報を亡失した場合など登記識別情報を提供することができない場合は,どうしたらいいのですか。
A9  登記識別情報は,一般的な本人確認手段としての印鑑及び印鑑証明書又は電子署名及び電子証明書に加え,登記手続固有の本人確認手段となるものですから,登記識別情報の提供がないときは,別の手段により本人確認手続を行う必要があります。具体的には,登記官が事前通知(個人の場合は,本人限定受取郵便により,法人の場合は原則として書留によります。)の手続により本人確認を行うのが原則となります。また,住所移転を利用した成りすましによる登記申請に対処するため,所有権に関する登記の申請がされた場合において,登記申請前に登記義務者の登記簿上の住所が変更されているときは,変更前の住所にも原則として登記申請があったことを通知することになります。

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