ながしま事務所通信


~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~

第51号 平成21年9月 発行

コラム画像 コラム:当職が感じたことを徒然なるままに綴ります。


走るキューピー

 

 ~ 暖かい目で見守って

 お盆に旧額田町の盆踊りに行ってきました。たかが「盆踊り」と侮るなかれ、額田の盆踊りは2日でのべ1000人近い動員を誇り、地元商店主や商工会による露店はもちろん、福引き大会、もち投げ、よさこい、さらには手筒花火に打ち上げ花火まで行われる大イベントなのです。当職は昨年まで額田在住であり、嫁の実家も額田にあるため毎年この盆踊りに参加してきました。長島家でも毎年恒例となっていたため、額田を離れた今年も、子どもたちを連れて参加してきたのです。

 息子(先月号でお伝えしましたが自閉症の障害を持っています)も消防団の消防車に乗せてもらったり、フランクフルトをほおばったり、露店でおもちゃを買ったりとおおはしゃぎ。多少落ち着きはないものの、他の人に迷惑をかけることもなく楽しく過ごしていました。ところが、お面屋さんの前に来たとき、「事件」が起きてしまったのです。当職はシンケンジャーのお面を勧めたのですが、本人は「キューピー」をいたく気に入ったらしく、他のお面では納得しません。仕方なくキューピーのお面を買って顔にかぶせてやるやいなや、突然息子が走り出したのです。

 盆踊りの会場となっている運動場の外周を全速力で走っては、すれ違う人に愛想をふりまき、座っている人の顔をのぞき込み、ぶら下がっているちょうちんを順番にたたき、盆踊りの輪に参加し、消防車の前で一瞬止まったかと思うとまた走り出し…。捕まえて制止しても、またすぐ走り出してしまうため、父親としては「すみません」と周りの人に謝りながら後について走るしかありません。運動場を2,3週すれば飽きるだろうと思っていましたが、なかなか止まってくれません。結局息子改め「キューピー」は盆踊りが終わるまで約20周(距離にして5㎞くらい)走り続けました。


 周りの人たちは突然現れた「キューピー」に一瞬びっくりした様子でしたが、暖かい目で皆笑って対応してくれました。本当に額田の人たちはいい人ばかりです。額田の自然が暖かい人柄を育てるのでしょうか。世の中の人たちが皆額田の人たちのようにおおらかで暖かい心を持っていれば、いろいろな争いや事件は起こらないと言ったら言い過ぎかもしれませんが、当職にはそう感じた一夜でした。(何の争いも起こらなくなったら当職は商売あがったりかもしれませんが、皆が笑って過ごせるならそれでもいいや。)

 後日談ですが、その夜、地元の中高生の間では「盆踊りに『走るキューピー』が出た!」と話題になっていたそうです。

解説画像 解説:登記・相続・裁判等司法書士に関連の深い事項を解説していきます。


不動産の贈与 


 ~ その2 「贈与税の計算(暦年課税)」

 不動産の贈与の際に最も気をつけなければならないのが「贈与税」です。せっかく贈与を受けたのに多額の贈与税を国に支払わなければならないのでは意味がありません。贈与税のことを考慮せずに安易に贈与をして、後日納税通知書が来て愕然とするなんてことがないように、贈与の際には必ず贈与税の検討をすることをお勧めします。本号では贈与税計算の基本「暦年課税」について解説します。(相続時精算課税等節税対策については次号以降で)

1 贈与税がかからない場合

  贈与税は、贈与を受けたすべての財産に対して課税することを原則としていますが、その財産の性質や贈与の目的などからみて、次に掲げる財産については贈与税が課税されないことになっています。

 ・ 法人からの贈与により取得した財産

   贈与税は個人から財産をもらった場合にかかる税金であり、法人から財産をもらった場合には贈与税ではなく所得税がかかります。


 
・ 相続や遺贈により財産を取得した人が、相続があった年に被相続人から贈与された財産
  この場合は、贈与税の課税対象とはしないで、相続税の課税対象として相続財産に加算することになっています。

 他に、家族(扶養義務者)間の生活費や教育費、公益目的の寄付、特定公益信託(奨学金等)、心身障害者共済制度に基づく給付金、選挙運動のために取得した金品、香典、年末年始の贈答、祝物、見舞等に関しても一定の要件に当てはまる場合には贈与税の課税はされません。

2 暦年課税と申告

 
暦年課税とは?

 贈与税は一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、 
1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません (この場合、 贈与税の申告は不要です)。
 また、110万円を超える財産をもらったときであっても、夫婦の間で居住用の不動産又は居住用の不動産を取得するための金銭の贈与を受けて配偶者控除を受ける場合には贈与税がかからないことがあります。(夫婦間贈与の解説は次号で)

 申告と納税

 贈与税がかかる場合には、
 財産をもらった人が申告と納税をする必要があります。 申告と納税は、 財産をもらった年の翌年2月1日から3月15日の間 に行います。

3 贈与税額の計算

 暦年課税による贈与税額の計算方法


 ① まず、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計します。
    ※ 土地については「路線価」、建物については「固定資産税評価額」が財産の価額となります
 ② 続いて、その合計額から基礎控除額110万円を差し引きます。
 ③ 次に、その残りの金額に税率を乗じて税額を計算します。   


暦年課税の税率

    

計算例

  

 高額な贈与税の支払いを回避するために、年間の贈与を110万円以内に抑え、数年に渡って贈与を繰り返すことも、税金対策としては有効です
 

※  ご不明な点がございましたら当事務所へお問い合わせください