ながしま事務所通信


~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~

第81号 平成24年3月 発行

コラム画像 コラム:当職が感じたことを徒然なるままに綴ります。

会って話すのが1番ですが…
 

  ~ フェイスブック始めました

 当然のことですが、当職は司法書士事務所の経営者です。自分の名前を冠して事務所を経営している以上、お客様は「長島」という人間がどういう人間かを見て、当事務所に業務を依頼するか否かを判断されることが多々あるはずです。すべてのお客様とお会いして、膝をつき合わせて語り合うことで、「長島」という司法書士の人間性を理解していただくことが1番だということはもちろんわかっています。ただ、すべてのお客様に対してそれをすることは困難であるのも現実です。

 インターネットの普及により、直接お会いすることなくいろいろな情報をやりとりすることができる時代です。当事務所もホームページを持ち、お客様ともメールで連絡しあったりしています。さらに最近、当職は「フェイスブック」を始めました。(いわずと知れた世界最大のSNS(会員交流サイト)です。)最初、せっかく新しいことを始めるのだから、当事務所の仕事に役立てたいと考え、「当事務所がどういった業務をしているか」、「どのように仕事を進めているか」といったことを発信しようと思っていました。しかし、それでは一方的に情報を発信するホームページ等と一緒です。せっかく、相手の反応を知ることができるSNSなのだから…。また、仕事に特化してしまうとフェイスブック自体を楽しむことができなくなってしまいます。

 そこで、当職はフェイスブックで「自分をさらけ出す」ことにしました。当職は自称「日本一育児をする司法書士」です(男性司法書士の中では、でしょうが)。3人の子供(自閉症児を含む)の子育て及び家事をほぼ一人でしています。携帯電話やメールといった文明の利器や、当事務所自慢のスタッフたちの協力おかげで、それでもお客様に迷惑かけることなく仕事ができています。他人にはなかなかできない経験をしている当職の日常を、フェイスブックを活用してさらけ出すことで、当職の人間性を知っていただきたいと思います。結果、その人間性を気に入っていただければ、ひょっとしたら仕事にも繋がるかもしれません。もし、気に入ってもらえなかったとしても、自分を着飾らず、本音と事実のみを発信するわけなので後悔は生まれないと信じています。

 冒頭にも書きましたが、「会って話す」のが1番です。ただ、フェイスブックという媒体で、当職という人間を少しでもわかっていただければ幸いだと思っています。皆様、フェイスブックで当職の名前を見つけたら、ぜひ「友達申請」してくださいね。    

解説画像 解説:登記・相続・裁判等司法書士に関連の深い事項を解説していきます。

行方不明者の戸籍上の取り扱い 

  ~ 失踪宣告

 未曾有の大震災となった「東日本大震災」から1年が経過しようとしています。お亡くなりになった方々やその家族・関係者の皆様には心より哀悼の意を表します。震災から1年、津波により未だ3,000人を超える「行方不明者」の方々がいらっしゃいます。行方不明の方々が戸籍上どうなってしまうのかということは一般的にはあまり知られりません。ご家族の気持ちを思うと心苦しいところですが、本号では、震災等危難時を含む行方不明者の戸籍上と取り扱いとして「失踪宣告」について解説したいと思います。




 もともと人の戸籍を消す為には、当事者の死亡が確認されなくてはなりません。そして、死亡を確認する為には本人の死体がなければなりません。とすると、失踪者の場合、戸籍上は永遠に生き続けることになってしまうのです。
 これによって困るのは残された家族たちです。本人の死亡が確認されないかぎり、本人失踪後、何百年経とうが相続や保険金の支払いが行われないからです。住民税も生きている人と同じようにかかるのです。残された配偶者は、他に好きな人ができても再婚できません。
 こういった不都合を解消するために、国が失踪宣告という制度を設けて法的に死亡を確認することを行っているのです(失踪宣告の申請は義務ではありません、別に申請しなくてもかまいません)。
※ 死亡は確実だが死体確認ができない場合については、戸籍上死亡の扱いがなされる「認定死亡」の制度が用いられます。



 失踪宣告には2種類、①危難失踪と②普通失踪があります。


 東日本大震災の場合、平成24年3月12日以降失踪宣告の申立ができるということになります。



1 申立人
 利害関係人(不在者の配偶者,相続人にあたる者,財産管理人,受遺者など失踪宣告を求めるについての法律上の利害関係を有する者)

2 申立先
 不在者の従来の住所地の家庭裁判所

3 申立に必要な費用
 • 収入印紙800円分
 • 連絡用の郵便切手(申立てされる家庭裁判所へ要確認)
 • 官報公告料4179円(失踪に関する届出の催告2650円及び失踪宣告1529円の合計額)
 • 司法書士又は弁護士費用(専門家に依頼される場合)  
                                                             
4 申立に必要な書類
 (1) 申立書
 (2) 標準的な申立添付書類
 • 不在者の戸籍謄本(全部事項証明書)
 • 不在者の戸籍附票
 • 失踪を証する資料
 • 申立人の利害関係を証する資料(親族関係であれば戸籍謄本(全部事項証明書)) 

                                             
5 宣告までの期間
 危難失踪で2~3ヶ月、普通失踪で8ヶ月くらい後に失踪宣告がなされます。


 
1 離婚に関して
 離婚に関しては失踪宣告よりも緩やかな対応が用意されています。
 一方的に配偶者に失踪された者にとって、7年という月日は長すぎます。その間、ただひたすら失踪者が帰るのを待っているのではあまりにも辛く不自由なことから、民法770条3項では3年以上配偶者の生死が明らかでない場合の離婚を可能としています。

2 失踪宣告後、本人が戻ってきたら
 失踪宣告後、本人が帰ってきた場合に備えて失踪宣告取消の申立ができるようになっています。
 手続きは、本人や家族が「実は生きていました」と家庭裁判所に申立するだけです。
 これで基本的には身分も財産も、失踪前の状態に戻るわけですが、残念ながら全てが元に戻るわけではありません。まず、配偶者が離婚手続きをしていて、別の人間と再婚していた場合、再婚の方が認められることになります。また、財産についても同じような処置が取られ、既に財産が分配されていた場合、既に費消された分は取り戻すことが出来ません。 

 ご不明な点がございましたら当事務所へお問い合わせ下さい。