ながしま事務所通信


~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~

第84号 平成24年6月 発行

コラム画像 コラム:当職が感じたことを徒然なるままに綴ります。

一歩踏み出す勇気
 

  ~ 当事務所スタッフが「行政書士」として独立開業します

 当事務所スタッフの原田力太が、5月末をもって当事務所を退職し、6月に「行政書士事務所」を開業します。司法書士業務を経験することで培った法律・不動産等の知識、そして持ち前のガッツと人柄を活かして、行政書士として活躍してくれることを当職は信じています。

 司法書士と行政書士は似通った業種であるというイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、法律と書類を取り扱うという共通点はあるものの、全く別の内容の業務であるといっても過言ではありません。今置かれた状況から、全く別の道へ一歩を踏み出すのは、大変な勇気が必要です。原田の勇気を持った決断を、当職は心から賞賛し、応援していきたいと思っています。

 当職も、司法書士を目指して勤めていた会社を辞めた際、そして司法書士試験合格後に勤務していた事務所から独立開業した際、初めて従業員を雇った際、新しい業務を始めた際…etc、何度も岐路に立たされ、その都度大変迷いました。しかし、現在の当職があるのは、勇気を持って決断し、一歩を踏み出し続けてきたからだと自負しています。「失敗したらどうしよう」と考えるより、「まず一歩を踏み出す」、「とりあえずやってみる」という考えでいる方が、後で後悔は生まれません。勇み足で失敗をしたこともありますが、その失敗を次に活かせばいいのですから。

 とにもかくにも、原田の開業により、今後は行政書士業務の相談が来ても、原田を紹介することで対応できるようになります。今までも、弁護士、税理士、土地家屋調査士、社会保険労務士、不動産業者等、との連携はありましたが、それに行政書士が加わることで、さらなるサービスの充実を図ることができるでしょう。皆様、司法書士業務に限らず、「なんでも」遠慮なく当事務所へご相談くださいね。
 

解説画像 解説:登記・相続・裁判等司法書士に関連の深い事項を解説していきます。

行政書士の業務 

  ~ 官公署への許認可申請

 コラムにも書いた通り、当事務所より「行政書士」が独立開業します。そこで、本号では「行政書士の業務」について取り上げたいと思います。司法書士が「登記(不動産、商業、債権譲渡等)」、「供託」、「訴訟(簡裁に限る)」の代理を主な業務としているのに対し、行政書士の主業務は「官公署への許認可」に関する書類の作成及び提出です。



 行政書士は、行政書士法(昭和26年2月22日法律第4号)に基づく国家資格者で、他人の依頼を受け報酬を得て、
① 役所に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続代理
② 権利義務に関する書類の作成
③ 事実証明に関するの作成

等(他の法律によって制限されているものを除く※)を行います。
             

 ※例えば、相続の際の「遺産分割協議書」は権利義務に関する書類に含まれるため、行政書士が作成することができます。ただし、その遺産分割協議書に基づいて不動産の名義を変えるための「相続登記申請書」の作成は「司法書士法」により司法書士の業務とされているため、行政書士が作成することはできません(「弁護士法」により弁護士も可)。なお、「遺産分割協議書」は司法書士、弁護士、税理士等も作成することができます。




 行政書士の主業務は役所に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続代理、すなわち「官公署への許認可申請」です。その数は1万種にも及ぶと言われています。以下に、その主なものを挙げます。

 

  警察署に「保管場所証明申請手続」や「保管場所届出手続」を行います。

 

  各市町村の農業委員会に農地転用や農地の売買・贈与等の「農地法の許可・届出」を行います。
 また、土地について下記の申請手続を行うこともできます。
 1.開発行為許可申請手続
 2.里道・水路の用途廃止及び売払い手続
 3.官民境界確定申請手続

 

  保健所、警察署等に下記のような営業許可の申請を行います。
 1.飲食店または接待飲食店営業許可申請手続
 2.風俗営業許可申請手続(マージャン店、パチンコ店等)

 

 

  外国人が日本国籍を取得する「帰化申請手続」は申請人本人によることが必要ですが、その申請書の作成を行います。
 ※ 司法書士も可能です

 

  関係官庁に会社、NPO法人、医療法人、社会福祉法人、学校法人、組合等といった法人の設立等の許可申請手続、
 定款の認証手続を行います。
 ※ 設立等の登記は司法書士又は弁護士に限ります

 

 

  入国管理局に外国人の在留・永住・就労等に関する申請を行います。
 ※ 「申請取次行政書士」(一定の研修を受けて認可された行政書士)に限る。

 

  都道府県又は国土交通省に「建設業の許可申請手続」を行います。
 また、関連する各種申請(経営状況分析申請、経営事項審査申請、入札参加資格審査申請等)も行います。