ながしま事務所通信


~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~

第99号 平成25年9月 発行

コラム画像 コラム:当職が感じたことを徒然なるままに綴ります。

時は金なり
 

  ~ 「待つのも仕事」とはいうけれど…

 小学校1年生の娘が、ゲームセンターのとあるカードゲームにはまっています。今、小学生の女の子の間で大人気のゲームなのですが、ゲームの前に行列ができることもしばしば。岡崎の某ショッピングセンターでは、1回ゲームをするのに30分以上待たされることもあります。ただ、どこへ行っても大行列というわけではありません。「穴場」が存在するのです。某「穴場」に設置してある同じゲームの前に、行列ができていることはほぼありません。行列や「待つ」ことが大嫌いな当職は、娘をよくその「穴場」に連れていきます。

 司法書士の仕事をする上でも、「待つ」ことはよくあります。不動産売買の立会で、書類上の手続はすべて終わっているのに、銀行の振り込みに時間がかかるために、ただ「待つ」なんてことは多々あります。そんなとき、当職は「司法書士にとっては、待つのも仕事ですから」と笑っているように心がけています。プライベートでは「待つ」のが大嫌いな当職も、仕事となればそこまで苦痛ではありません。ただ、不動産の購入・売却が初めてというお客様にとっては、振込にそんなに時間がかかるなんて知るよしもありません。お客様の「待つ」苦痛が、少しでも和らぐように、仲介業者さんを交えて世間話をしながら時間をつぶすのです。

 「待つのも仕事」とはいえ、長時間待たされればその分他の仕事にも支障をきたします。予想以上に振込に時間がかかったばかりに、次のお客様を待たせてしまうなんてことも時にはあります。自分が「待つ」のはまだ許せますが、そのために他人を待たせてしまうなんてことになると話は別です。

 「時は金なり」なんて言葉もあります。銀行さんもお金を扱っているんだから、もう少し時間のことも考えてほしいなぁというのが当職の本音です。もちろん、「お待たせしない」ことをサービスとして意識してくださる銀行・信金さんも多々あります。そんな「穴場」な金融機関が当職は大好きです。


解説画像 解説:登記・相続・裁判等司法書士に関連の深い事項を解説していきます。


供託

 

 ~ 法律に基づき、国がお金を預かる制度

 司法書士業務は、不動産や会社の登記、裁判所に提する書類の作成、簡裁における訴訟代理業務、債務整理等多岐に及びます。その中で、あまり知られていないのが「供託」業務です。「供託」の代理を業として行うことができるのは司法書士と弁護士のみです。とはいっても、「供託って何?」という方がほとんどだと思います。そこで、本号では「供託」についてとりあげます。


 
 「供託」とは、法律の規定に基づき、金銭・有価証券など(供託物)を国家機関である供託所(法務局)に提出して、その管理を委ね、供託所を通じてその財産をある人に取得させることによって、一定の法律上の目的を達成しようとするための制度です。
 簡単に言うと、「国にお金を預かってもらう」制度が「供託」です。



① 弁済のためにする供託(弁済供託)
② 担保のためにする供託(担保保証供託)-裁判上の保証供託/営業上の保証供託/税法上の担保供託 等
③ 強制執行のためにする供託(執行供託)
④ 保管のための供託(保管供託)
⑤ 没取の目的物の供託(没取供託)-選挙供託 等

「弁済供託」というのが、最も一般的な供託です。
 債務者が債務の目的物を供託することによって債務を免れることを目的とする供託であり、債務者の救済を主な目的としています。
(相手がこちらの支払うお金を受け取ってくれなさそうなときに、法務局にお金を預ければ支払ったことになるということ。→事例は後述)



事例①
 賃貸アパートの借主が、大家さんの自宅へ家賃を持っていったが、大家さんが家賃の値上げを理由に受け取ってくれなかった。

事例②
 賃貸アパートの大家さんが突然亡くなってしまい、相続人も不明で、誰に家賃を支払えばよいのかわからない。

そのまま放置していると…
 遅延損害金を請求されたり、賃料不払いによる建物明渡し訴訟を提起され、賃貸アパートを出ていかなければならなくなる可能性があります。

では、どうすれば?
 供託所(法務局)に家賃を預ける(供託する)ことによって、借主は家賃を支払っていたのと同じ効力を生じさせることができ、事例①②のような危険を回避することができます。



供託手続は、何十年も前に設定された古い抵当権を抹消する際等にも利用されます。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。