ながしま事務所通信


~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~

第113号 平成26年11月 発行

コラム画像 コラム:当職が感じたことを徒然なるままに綴ります。

仕事とプライベートの相乗効果 
 

  ~ 自閉症児の育児との両立

 当職の家庭は父子家庭です。3人の子を当職が育てており、うち真ん中の坊主は「自閉症」という障がいを持っています。皆に、「大変だね」と言われます。確かに大変だと思う時期もありましたが、最近は、当事務所スタッフを始め、親類縁者、友人、学校、障がい者支援施設、地域の方々等、たくさんの皆さんの助けを受けて、”楽しみながら”家事育児と仕事を両立できるようになってきました。

 先日、うちの子より重度の自閉症児を育てる父親(父子家庭)のドキュメンタリーをテレビで見る機会がありました。そのお父さんは、当職と同じように、まわりの皆さんの助けを受けながら、”楽しみながら”子育てをしているように当職には見えました。彼は、現在、もとの仕事を辞め、自分の息子と同じような障がいを持つ子どもたちの面倒を見る「障がい児デイサービス」の施設を立ち上げ、軌道に乗せているそうです。そして、「障がいを持つ息子に出会えたことを今は幸せだと思える」そうです。

 当職は彼の域までは達していないとは思いますが、彼と同じように「3人の子どもたちに出会えたことを本当に幸せ」だと思っています。確かに手はかかることもありますが、子どもたちがいるからこそ「仕事をがんばろう」と思えるし、子どもたちがいなかったら今の「ながしま事務所」はなかったと言っても過言ではありません。

 家庭がある人に限らず、自身のプライベートを充実させたいがために仕事をするということは、相乗効果を生むと当職は思います。「仕事が1番、次にプライベート」という考えも立派ですし、否定もしませんが、当職は仕事以外に何か守るものや、したいことがあった方が、より仕事を充実させることができるのではと考えています。

解説画像 解説:登記・相続・裁判等司法書士に関連の深い事項を解説していきます。


成年後見人の選任申立

 

  ~ 成年後見の開始 

 成年後見制度は精神上の障害 (知的障害、精神障害、認知症など)により判断能力が十分でない方が不利益を被らないように 家庭裁判所に申立てをして、その方を援助してくれる人(成年後見人等)を付けてもらう制度です。
 近年、この成年後見制度の利用の必要性が増してきています。先号でも「成年後見人の仕事」について取り上げましたが、本号では、実際に成年後見が開始されるまでの流れを解説させていただきます。

 

 成年後見制度は法定後見制度任意後見制度からなり、法定後見制度はさらに後見(ほとんど判断ができない人)、保佐(判断能力が著しく不十分な人)、補助(判断能力が不十分な人)の3つに分けることができます。任意後見制度は本人の判断能力が衰える前から利用できますが、法定後見は判断能力が衰えた後でないと利用できません。
 まずは、本人の意志や状態を確認し、主治医や介護士、弁護士、司法書士等と相談の上、どの制度を利用すべきかを判断する必要があります。また、誰を後見人(候補者)とするかも決めなければなりません。



 成年後見制度の中で、最も多く利用されているのが「後見」の制度です。この後見が開始するまでの流れ(司法書士に相談して申立を依頼した場合)は以下の通りです。

① 司法書士に相談~依頼

 成年後見の申立が適当かどうかの判断、成年後見人候補者の決定等
※ 申立をする司法書士に後見人候補者になってもらえる場合もあります
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② 申立書類の作成・取寄
 <申立に必要な書類>
 申立書
 申立人の戸籍謄本1通
 本人の戸籍謄本、戸籍の附票、登記事項証明書、診断書各1通
 成年後見人候補者の戸籍謄本、住民票、身分証明書、登記事項証明書各1通
 申立書付票
 本人に関する報告書
※ 申立書には、本人の財産や収支を証明する資料(預金通帳や有価証券の写し、領収書関係、不動産の登記事項証明書等)等、成年後見の審判の可否判断に必要な様々な書類を添付します。
※ 登記事項証明書は、東京法務局が発行する後見開始の審判等を受けていないか、あるいは既に受けているかについての証明書のことです
※ 身分証明書は、本籍地の役所が発行する破産宣告を受けていない旨の証明書のことです
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③ 家庭裁判所への申し立て
 
④ 家庭裁判所の調査官による事実の調査
 申立人、本人、成年後見人(保佐人、補助人)候補者が家庭裁判所に呼ばれて事情を聞かれます
 ↓
⑤ 精神鑑定
 実際に精神鑑定がおこなわれるのは稀で、申立て全体の約1割に過ぎません
 ↓
⑥ 審 判
 申立書に記載した成年後見人候補者がそのまま選任されることが多いですが、場合によっては家庭裁判所の判断によって弁護士や司法書士等が選任されることもあります
 
⑦ 審判の告知と通知
 裁判所から審判書謄本をもらいます
 
⑧ 法定後見開始
 東京法務局にその旨が登記されます


当法人では、成年後見の業務全般を承っております。ご不明な点がございましたら、当事務所へお問い合わせください。