商業登記その他

No.215 吸収合併~M&Aが盛んになっています

    ~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~                                                    第215号 令和5年6月発行

    A COLUMN ~記事~

    営業日変更のお知らせ ~ 事務所の営業日は変わりません

    司法書士の業務は不動産登記、商業登記、相続手続、裁判所提出書類作成と多岐に及びます。多くの司法書士事務所が申請先の法務局や裁判所の休日に合わせてカレンダー通り(土日祝日休み)の営業をしています。当事務所も例外に漏れず、カレンダー通りの営業をしております(顧客サービスのために土曜日の午前中は原則、当番制で開けております)。

    取引先のうち、銀行や税理士さん等はカレンダー通りの営業をしているため問題ありませんが、大口の取引先である不動産屋さんは土日も営業されています。また、一般のお客様も平日はお仕事のため、土日に対応して欲しいという方が多いことも事実です。結果、多くの土日に当職が休日出勤することになります。当事務所スタッフに負担をかけることはしたくないので、できる限り休日の対応は当職がしています。

    働き方改革が叫ばれる昨今、かつてブラック企業の代表とも言われていた不動産屋さんの営業日にも変化が見られるようになってきました。かつては水曜日のみお休みで、お客様に呼ばれればその水曜日も関係なく働いていた不動産屋さんですが、最近は変わってきたようです。大手不動産業者の多くは火曜水曜を連休にし、完全休業にしています。当事務所の取引先不動産屋さんの多くも、火水連休を取るようになってきました。

    そうなると、火曜水曜に不動産屋さんと連絡を取ることができません。司法書士事務所と出勤が合うのが、月木金のみとなり、その週3日に不動産売買の立会業務が詰め込まれます。さらに、その間に連絡を取り合って事務処理もしなければならなくなってしまうため、業務が滞ってしまうのです。

    そこで、当職は考えました。「当職のお休みを変えてしまえばいいんだ!」と。今月から「長島は不定休」とさせていただきます。不動産屋さんに合わせて火曜水曜連休にして土日に夫出勤することも考えましたが、平日対応を望むお客様もいます。当職にも家族がいるため、土日を完全出勤にすることもできません。だから「不定休」なのです。土日の出勤することもあれば、水曜日にお休みをとることもあります。

    事務所の営業日は変わりません。平日、当職がお休みをしていても、当事務所の優秀な司法書士が対応させていただきます。当職自身も、平日休みにすると決めたわけではありません。お客様に合わせてお休みを取るためご迷惑をかけることは少ないのではと考えています。土日もすべて対応ができるわけではないので、ご不便をかけることもあるとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。(
    とりあえずお電話ください)

     

     

    EXPLANATION ~解説~

    吸収合併  M&Aが盛んになっています

     

    近年、企業の業務拡大や後継者不足の解消のために、会社自体を売却したり合併したりする事例(M&A)が増えています。当事務所でも以前は数年に1度しか依頼がなかった合併登記の依頼が、年に数件みられるようになってきています。

    会社は、他の会社と合併することができます。合併には、一方の会社が他方の会社を吸収し、全ての権利義務関係を承継する吸収合併と、当事会社がいずれも消滅して新しく会社を設立する新設合併とがあります。

    本号では、実務で広く用いられている存続会社、消滅会社ともに株式会社である吸収合併についてご説明いたします。

     

    1 吸収合併の流れ

    吸収合併の手続はおよそ後記のスケジュールに沿って行なわれます。おおむね合併予定日の2か月前に手続に取りかかる必要があります。ただし、株主総会の招集手続が省略または短縮できない株式会社の場合には、さらに早めに取りかかる必要があります。

    1.合併契約の締結

    存続会社(合併後権利義務を承継する会社)と消滅会社(合併により解散して消滅する会社)は、合併契約を締結します。(めやす:合併期日の約2ヶ月前)

     合併契約で決めるべき事項

    ◎ 存続会社及び消滅会社の本店・商号

    ◎ 存続会社が消滅会社の株主に金銭等を交付するときはその内容

    ◎ 上記の場合における、消滅会社の株主に対して交付する金銭等の割当てに関する事項

    ◎ 消滅会社が新株予約権を発行している場合、交付する存続会社の新株予約権または金銭等に関する事項

    ◎ 吸収合併が効力を生ずる日(合併期日

     

    2.株主総会での承認決議

    株主総会での承認は、合併期日の前日までに行わなければならないとされています。しかし、実務においては、債権者保護手続きを行う都合上、公告が掲載される前に株主総会で承認を受ける場合が多いです。(めやす:合併期日の約1ヶ月半前)

    3.債権者保護手続き

    官報への合併公告は、掲載の依頼から掲載まで2週間程度要するため、遅くとも合併期日の1ヶ月半前までに依頼をする必要があります。また、知れている債権者には各別に催告をします。(めやす:合併期日の約1ヶ月半前)

    4.効力発生日の到来

    債権者保護手続きの期間中に異議を述べた債権者がいなかった場合は、合併期日に合併の効力が生じます

    5.登記申請

    合併期日以降に、法務局に吸収合併による変更登記を申請します。(申請後1週間~10日)程度で登記が完了します)

     

    2 合併登記に必要な費用

    1.官報広告費用

    掲載する内容(行数)により費用は変わります(合併公告のみ8~9万円、両社の決算公告の掲載が必要な場合22万円程度)

    2.登録免許税

    吸収合併により資本金の額が増加しない場合 登録免許税 = 30,000円(定額)

    吸収合併により資本金の額が増加する場合 登録免許税 = 増加した資本金の額 × 1000分の1.5 ※ 

    ※ 30,000円未満の場合は30,000円。増資額が消滅会社の資本金の額を上回る場合は、超過分につき1000分の7

    消滅会社の登録免許税 登録免許税 = 30,000円(定額)

     

    3.司法書士報酬

    当事務所の場合12万円~18万円程度(合併契約書の作成から債権者保護手続きまですべてお手伝いした場合)

     

    ご不明な点がございましたら、当事務所へお問い合わせください。

    ながしま事務所通信

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