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No.248 住所変更登記の義務化とスマート変更登記

    ~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~                                                   第248号 令和8年3月発行

    A COLUMN ~記事~

    前住所が載ってない! ~ 行政サービスの効率化

     

    今年1月のある日、登記の手続のためにお客様が持ってきた岡崎市の「住民票」を見て、当職は愕然としました。「前住所」が載っていないのです。「解説」の方でも後述しますが、不動産の住所変更登記をする際、住所の移転がわかる証明書が必要となります。当然「住民票」の出番というわけなのですが、肝心の前住所が載っていないのです。市役所に問い合わせたところ、1月から住民票の記載内容が変更になり、市外から転入してきた場合は前住所を記載するが、市内での住所移転の場合前住所が載らないとのこと。12月までは載っていたのに…。住所変更登記をするために、住民票では足りず、「住民票除票」や「戸籍の附票」といった一般の方にはなじみのない、別の書類を取得しなければいけないのです。

    司法書士にとっては 単純に住所変更登記の際に手間がかかるというだけでは済みません。不動産売買の場でお客様の持ってきた住民票に前住所の記載がなかった場合、取引自体ができず、延期になってしまうなんてことも考えられます。なんという改悪!

    後から調べたところ、市役所や支所の窓口に行って申し出れば、住民票に市内の「前住所」を載せてもらえるそうです。ただ、コンビニで住民票を取る場合はそうはいきません。せっかくコンビニで住民票を取れるようになったのに、登記に使う場合はわざわざ市役所や支所にまで行かなければなりません。その市役所窓口も今年7月から9時~16時に窓口受付時間が短縮されるとのこと。

    オンラインでの各種手続や証明書請求ができるようになって、窓口対面での受付を縮小するというのもわかります。職員の働き方改革というのも理解できます。でも、オンラインでの手続方法が皆に周知されているとは言い切れません。住民票の記載についても、結局コンビニではなく窓口へ行かなければならないよう変更するなんていうのは本末転倒です。いろいろ効率的に変更して、他のサービスを充実させるのは結構なことですが、もう少し丁寧な説明や、各方面からの意見を聞き取った上での変更を切に望みます。

    でないと、役所の皆さんがせっかく頑張っているのに、「サービスが低下した!」と文句を言われてしまいますよ。

     

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    EXPLANATION ~解説~

    住所変更登記の義務化とスマート変更登記

     

    令和8年4月1日から、不動産の所有者は、氏名・住所の変更日から2年以内に変更登記をすることが義務付けられます。一昨年始まった相続登記の義務化と同様、住所変更登記を怠ると、過料の制裁が課せられるおそれがあります。

    併せて、この義務の負担軽減のため、所有者が変更登記の申請をしなくても、登記官が住基ネット情報を検索し、これに基づいて職権で登記を行う「スマート変更登記」が開始します。

    本号では、住所変更登記と「スマート変更登記」について解説します

     

     

     

    1 住所変更登記

     

    住所変更登記流れ

    ① 必要書類を取得する

    ・ 住民票の写し、住民票除票、戸籍の附票等 (登記簿上の前住所から現在の住所への移転がわかるもの)

    ※ 上記コラムに記載の通り、住民票の写しだけでは住所の移転が証明できない場合があるのでご注意ください

    ※ 公的証明書で住所の変更が証明できない場合は、権利証の写しや固定資産税の納税証明書、実印を押した「申述書」(印鑑証明書添付)が必要になり、手続が複雑になります。

     

    ② 住所変更登記申請書を作成

     

    ③ 申請書に収入印紙を貼り付け

    住所変更登記には登録免許税という税金がかかります。多くの司法書士はオンライン申請をしているため、電子納付しますが、個人で登記申請をする場合は、収入印紙を購入して、申請書に貼り付けます。

    登録免許税の額は不動産1件につき1000円です。

     

    ④ 法務局に申請

    不動産の所在地を管轄する法務局に持参して登記申請します。(郵送、オンラインでも申請は可能です)

     

     

     

    2 スマート変更登記

     

    令和7年4月1日以降に不動産を取得(登記申請)した方については「検索用情報」(氏名のふりがなや生年月日、メールアドレス等)を届け出ているため、市区町村に住所変更の届出をすれば、職権で住所変更登記をしてもらうことができます。つまり、自分で住所変更登記をする必要がなくなるのです。令和7年4月1日以前に不動産を取得(登記申請)した方についても、「検索用情報」の申出をすることができるので、その申出をしておけば職権での住所変更登記の対象となります。

     

    スマート変更登記の流れ

    ① 市区町村に住所等の変更を届出

    ② 法務局が検索用情報を用いて照会し登記名義人に意思確認

     メールアドレスを届け出ている場合はメールで、届け出ていない又はメールで確認ができなかった場合は郵送等で意思確認をします。(本人が了解しない限り、勝手に登記されることはありません)

    ③ 職権による住所変更登記がされる

     

     

     

    ご不明な点がございましたら、当事務所へお問い合わせください

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