その他

No.221 所有者不明土地解消に向けて ① ~ 不動産登記制度の見直し(前編)

    ~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~                                                    第221号 令和5年12月発行

    A COLUMN ~記事~

    ラーケーション ~ 新しい学びかた?

    今年から、愛知県の小中高校で「ラーケーション」が実施されることになりました。

    愛知県のホームページによると、ラーケーションとは下記の通りだそうです。

    ○ 愛知県全体のワーク・ライフ・バランスの充実を目指す、「休み方改革」プロジェクトの中で生まれた「ラーケーションの日」は、「学習(ラーニング)」と「休暇(バケーション)」を組み合わせた愛知県発の新しい学び方・休み方

    ○ 校外での自主学習活動であるため、子供は学校に登校しなくても欠席とはならず、「出席停止・忌引等」と同じ扱いとなる

    ○ 保護者等の休暇に合わせて届け出をし、年に3日まで取ることができる

    当職も早速ラーケーションを利用して娘と愛犬を連れて関西方面へ旅行に行ってきました。平日に連休を取れるよう、仕事の予定を調整し、たまってしまう事務処理を土日に休日出勤してこなし、旅行の前後はバタバタして大変な部分もありました。ただ、平日の旅行は宿も取りやすく、混み合うこともないため快適に過ごすことができました。

    ただ、「休暇」が「学習」になったかというとなんとも言えないところでした。特にラーケーションの行き先や過ごし方を学校に報告したり、学習の成果を学校に報告する必要もありません。ただ、平日に旅行ができたってだけかなって感じです。娘が言うには「みんなが勉強している時に遊んでいられる優越感が一番の収穫」だそうです…。

    実際、娘の友人はラーケーションを利用してディズニーランドやユニバーサルスタジオに行く子もいるそうです。それでも、平日にお出かけをするということは、普段の土日とは違った経験ができるのかもしれません。観光地や繁華街の人出も、道路の混み具合も土日とは異なります。ディズニーランドだって土日よりたくさんのアトラクションに乗れるでしょう。当職も大学時代や司法書士受験をしていたフリーターの頃は、あえて平日に遊びに行くことが多かったのを思い出しました。

    日常とちょっと違った経験ができる。 それだけで意味はあるのかもしれません。

     

    EXPLANATION ~解説~

    所有者不明土地解消に向けて ① ~ 不動産登記制度の見直し(前編)

    以前に本通信でも「相続登記の義務化について取り上げましたが、この法改正は「所有者不明土地解消」を目的とした諸々の法改正の一つです。

    相続登記がされないこと等により以下いずれかの状態となっている土地を「所有者不明土地」といいます。

    ① 不動産登記簿から所有者が直ちに判明しない土地

    ② 所有者が判明しても、その謝罪が不明で連絡がつかない土地

    全国で所有者不明土地は九州本島の大きさに匹敵するとも言われています。今後、高齢化の進展による死亡者数のの増加によりますます深刻化するおそれがあり、それを解消するために国が様々な法改正を実施したのです。

    本通信では数号に渡ってこの法改正について解説したいと思います。本号では「不動産登記制度」についてです。

     

     

    1 相続人申告登記 令和6年4月1日より施行

    これまで、相続登記の申請は「任意」とされており、申請をしなくても相続人が不利益を被ることはあまりありませんでした。また、価値の乏しく、売却も困難な土地については、費用や手間をかけてまで登記の申請をしようとは思わないことも、相続登記がなされない要因です。そのため、国は「相続登記を義務化」することで所有者不明土地の発生を予防しようとしています。


    ◎ 相続登記申請義務についてのルール

    ① 相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に登記の申請をしなければならない

    ② 遺産分割の話し合いがまとまった場合には、不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容を踏まえた登記を申請しなければならない

     ①、②とも正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の適用対象となる

     

     

    2 相続人申告登記 令和6年4月1日より施行

    不動産の所有者が亡くなった場合、その相続人の間で遺産分割の話し合いがまとまるまではすべての相続人が法定相続分の割合で不動産を共有した状態になります。この共有状態を反映した相続登記を申請する場合、すべての相続人を把握するための資料(戸籍謄本等)の収集が必要となります。相続人が多い場合や、数代前の所有者が登記名義人の場合、この資料の収集に大変な手間を要します。そこで、より簡易に相続登記の申請義務を履行することができるよう、相続人申告登記の制度が新設されます。


    ◎ 相続人申告登記

     登記簿上の所有者について相続が開始したことと、自らがその相続人であることを登記官に申し出ることで、上記①の相続登記の申請義務を履行したことになる

     自分が相続人であることがわかる戸籍謄本等のみで申請が可能

     

     

     

    3 所有不動産記録証明制度 令和8年4月までに施行

    登記官において、特定の相続人(亡くなった親など)が登記簿上の所有者として記録されている不動産を一覧的にリスト化し、証明する制度が新たに新設されます。

    これにより、自分の親等の所有する不動産を調査することが容易になります

     

     

     

    ご不明な点がございましたら、当事務所へお問い合わせください。

    ながしま事務所通信

    TOP