相続

No.157 相続登記はお済みですか?

    ~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~

    第157号 平成30年7月 発行

    相続登記はお済ですか? ~旧民法による相続

    A COLUMN ~記事~

    がんばれニッポン! ~ サッカーのナショナリズム

     
    この通信を書いている日(7月3日)の早朝、サッカーワールドカップの決勝トーナメント、ベルギー戦がありました。結果は皆様ご存じの通り日本の惜敗に終わりましたが、早朝どころか午前3時からの放送にも関わらず、視聴率は30%を超えたそうです。Jリーグのテレビ中継もなく、サッカーにそこまで興味を持っている人はそんなにいないはずなのに、それだけの人が見ていたということは、日本に対する愛国心からでしょうか。

    どちらかというと日本人は愛国人を表に出さない民族のように思います。「日本大好き!」なんて言ったら「右翼」だなんて言われかねません。でもサッカーやオリンピックで日本選手の活躍に熱狂している姿を見ると、やっぱり日本人も自分の国日本が大好きなんだなと思ったりします。

    右だ左だなんていうのはあまり好きではないし、当職はどっちでもないと思っていますが、日本の国や日本人のことは好きだとはっきり言えます。スポーツイベントの時だけじゃなく、「日本大好き!」って当たり前に言えるようになればいいのにって思います。

    ちなみに、「日本大好き」な当職は、今朝はしっかり寝ていました。
     

    EXPLANATION ~解説~

    相続登記はお済みですか? ~ 旧民法による相続

    不動産をお持ちの方が亡くなった際には、その名義を相続人に移す(相続登記をする)必要があります。ただ、何代もの間、相続登記がなされずに放置されていることも少なからずあります。何十年も前に亡くなった方の相続に関しては、亡くなった当時の法律が適用されるため、現行の民法では対応できないこともあります。言い換えると、いつ亡くなったかによって、相続人も相続分も異なってくるのです。

    1.死亡時に適用される法律

    ①明治31年7月16日~昭和22年5月2日以前に死亡
    旧民法(家督相続制度)が適用されます。

    ②昭和22年5月3日~昭和22年12月31日以前に死亡
    →日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律(応急措置法)が適用されます。

    ③昭和23年1月1日~昭和55年12月31日以前に死亡
    →新民法(改正前の法定相続分)が適用されます。

    昭和56年1月1日以降に死亡
    新民法(現行)が適用されます。

    2.旧民法(家督相続制度)

    家督相続では一人の家督相続人が、前戸主の一身に専属するものを除いて、前戸主に属する一切の権利義務を包括的に承継します。言い換えると、不動産を含むすべての財産は、家長である戸主が相続するのが原則だったのです。

    明治31年7月16日に施行された旧民法では、法定家督相続人になるのは被相続人の戸籍に同籍している直系卑属の男子が優先され、その中でも年長者が優先順位者とされていました。子供に男子がいない場合は女子が戸主となりました。

    3.日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律(応急措置法)

    応急措置法は新憲法施行後、新民法が施行されるまでの間、応急的に適用された法律です。家督相続(いわゆる「家制度」)はこの法律からは適用されません。

    その法定相続分は、次のとおりです。

    配偶者と子の場合 配偶者1/3、 子(全員で)2/3
    配偶者と父母の場合 配偶者1/2、 父母(全員で)1/2
    配偶者と兄弟姉妹の場合 配偶者2/3、 兄弟姉妹(全員で)1/3
    兄弟姉妹の直系卑属には、代襲相続権は無い。

    4.新民法(改正前)

    法定相続分は、上記、応急措置法と同じです。
    兄弟姉妹の直系卑属も代襲相続人となり、且つ制限なし。

    5.新民法(昭和55年改正) ~ 現行法

    昭和55年の民法改正(昭和56年1月1日施行)で、配偶者の相続分が引き上げられました。

    改定後の法定相続分(現行)は、次のとおりです。

    配偶者と子の場合 配偶者1/2、 子(全員で)1/2
    配偶者と父母の場合 配偶者2/3、 父母(全員で)1/3
    配偶者と兄弟姉妹の場合 配偶者3/4、 兄弟姉妹(全員で)1/4
    兄弟姉妹の代襲相続権は、その子までに限定されました。

    相続登記が未了のまま放置されている場合、戸籍等を調査して、どの法律が適用されるかを判断した後に 相続登記等の手続きをする必要があります。まずは、司法書士にご相談ください。

    ながしま事務所通信

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