不動産登記

No.201 住宅用家屋証明書~ 耐震適合証明書が不要に

    ~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~                                                    第201号 令和4年4月発行

    A COLUMN ~記事~

    4月1日の憂鬱 ~ ひとりでおるすばん 
    毎年4月1日は、当職が一人で事務所の留守番をする日です。4月1日は各市町村がその年の固定資産評価額決定し、その証明書を発行する日です。3月31日までに取得した評価証明書は、4月1日以降登記申請に使用することができません。そのため、当事務所では、4月以降の登記申請に必要な評価証明書を、4月1日に事務所スタッフが各市町村へ走り、手分けして取得しに行くのです。愛知県中の役場へ行かなければならないので、事務所総出での作業になるのですが、事務所を空っぽにするわけにはいきません。そこで、当職が一人残って「お留守番」をすることになるのです。

    4月1日以前に証明書を発行してくれてもいいのに…とか、今のご時世オンラインで証明書を発行する技術力があるはずなのに…とか、不満は多々ありますが、文句を言っても制度が変わらない以上仕方がないわけで。ということで、今年も4月1日は一人で留守番をすることになりました。

    見積書を作ったり、不動産屋さんや金融機関と連絡を取ったり、普段の所長の業務をしつつ、電話番、郵便物や荷物の受け取り、急な来客の対応…、一人ですべて対応するのはなかなか大変です。携帯で電話中に事務所の電話がかかってきたり、次から次へとやることが増えるので、一つ一つの仕事が終わらないうちに次のことをしていかなければいけません。今年はさらに、パソコンの業務用ソフトに不具合が生じたので、業者に連絡してその対応までしなければいけませんでした。

    毎年、当事務所スタッフのありがたみを実感する日になります。月末等忙しい日などは、 当職もスタッフも出払ってしまうため、当事務所の番頭が一人で事務所に残ることが多々 あります。彼女はいつもこれ(これ以上のこと)を一人でやっているのかと考えると、本当に 頭が上がりません。いつもありがとう!  4月1日は当職が一人で留守番する日であるとともに、スタッフに感謝する日です。

    EXPLANATION ~解説~

    住宅用家屋証明書 ~ 耐震適合証明書が不要に
    住宅を新築で建てたり、購入したりする際、住宅の所有権の保存登記・移転登記や抵当権設定登記などを行う必要がありますが、その際に登録免許税(印紙代)が発生します。そして、このとき根拠法令下での一定の要件を満たしている場合、登録免許税の税率軽減措置を受けることができます。

    その軽減措置を受けるために必要なのが「住宅用家屋証明書」です。(住宅ローン減税の適用にも必要)

    古い建物について、住宅用家屋証明書を発行してもらうためには、その建物が一定の耐震基準を満たすことを証明する書類「耐震基準適合証明書」が必要だったのですが、令和4年度の税制改正により、令和4年4月1日より原則不要になりました。

    (改正前)
    築20年以上の木造等耐火建築物以外の住宅、築25年以上のマンション等耐火建築物は住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)や登録免許税軽減を受ける為には耐震基準適合証明書が必要
    (改正後)
    「昭和57年1月1日以降に建築された住宅」は耐震基準を満たすものとみなし、耐震適合証明書が不要に
    「昭和56年12月31日以前に建築された住宅」は従来通り耐震基準適合証明書が必要となります

    1 住宅用家屋証明書の要件
    1. 新築の住宅の場合は新築後1年以内、建築後未使用の住宅(建売住宅・分譲マンション)または建築後使用されたことのある住宅(中古住宅)の場合は取得後1年以内に登記している
    2. 新築、または取得した住宅は自身が居住するために建てたものである
    3. 登記事項証明書に記載されている床面積が50平方メートル以上である
    4. マンションなどの区分所有物の場合、建築基準法で定める耐火建築物、または準耐火建築物に該当する 事務所や店舗などとの併用住宅の場合、居住部分が90%を超えるものである
    5. 所有権の移転登記については、昭和57年1月1日以降に建築された住宅である(ただし、新耐震基準を満たしている場合はこの限りではない)、また当該住宅の取得原因が売買または競落によるものである

    2 住宅用家屋証明書の取得方法

    「住宅用家屋証明書」は市区町村の税務課(名古屋市は市税事務所)にて発行してもらうことができます。
    手数料は1300円(豊田市は1000円)です。

    <必要書類>
    1. 住宅用家屋証明申請書
    2. 住宅の所有者の住民票の写しまたは印鑑証明書
    3. 登記事項証明書(新築で未使用または既使用の場合)
    4. 建築確認済証または検査済証(新築で未使用の場合)
    5. 家屋未使用証明書(未使用の場合)
    6. 売買契約書または譲渡証明書、または登記原因証明情報(未使用、既使用の場合)

    3 登録免許税の軽減
    住宅用家屋証明書を取得できる場合、登記の際の登録免許税が下記の通り軽減されます

    所有権保存登記
    固定資産税評価額の 0.4%  → (減税後)0.15% (長期優良住宅・認定低炭素住宅は 0.1%)
    所有権移転登記(売買)
    固定資産税評価額の 1.5%  → (減税後)0.3%
    抵当権設定登記
    抵当権設定額(借入額)の 0.4% → (減税後)0.1%

    ご不明な点がございましたら当事務所へお問い合わせください

    ながしま事務所通信

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