不動産登記

No.200 買戻権とは?~ 不動産登記用語解説③

    ~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~                                                    第200号 令和4年3月発行

    根抵当権とは? ~不動産登記用語解説②

    A COLUMN ~記事~

    雨の日も風の日も ~ 継続は力???
    1年以上前から、ほぼ毎週土日に当事務所を訪れる青年がいます。ただ、当職は彼の名前も知りません。声も聞いたこともなく、顔もしっかり見たことがありません。朝から夕方まで、当事務所の前で交差点に向かってただ座っているのです。実は、彼は当事務所のお客様ではありません。某住宅メーカーの分譲住宅の案内のために、看板を持って当事務所前の交差点に一日中座っているのがお仕事の青年なのです。

    そんな彼が、今月になって姿を見せなくなりました。彼の功績なのかどうかはわかりませんが、分譲住宅がめでたく完売したのかな、「継続は力なり」だなぁ…なんて思っていました。でも、知り合いの不動産業者さんに聞くと、分譲住宅8棟の内半分はまだ売れていないとのこと。毎週座っていた彼の努力は、結果には結びつかなかったようです。さすがに、看板を持ってただ座っているという案内方法が、ネット社会の現在、さほど意味がないと住宅メーカーが判断したようです。ただ続けていれば成果に繋がるというわけではありません。効果的な行動でなけれは、続けていても意味がないということです。

    「ながしま事務所通信」も本号で、めでたく200号を迎えることになりました。開業から16年以上、毎月休まず発行させていただいています。100号を迎えた際、「継続は力なり」なんてコラムを書かせていただいたのですが、ただ長く続けていれば良いというのもではありません。本通信は、当事務所をご利用いただいたお客様に配布する以外に、取引先の不動産業者さんに送ったり、当事務所のHPに掲載したり、多くの方にご覧いただけるようにしております。

    ただ、内容がためにならない、つまらないということでは、継続してご覧いただくことは
    できません。おかげさまで、少数ですが、「毎月見ています」というコアなファンもいます。
    「HPの通信を見てきました」というお客様もいます。

    少しは効果が出ているようなので、300号目指して続けてみることにします。

    EXPLANATION ~解説~

    買戻権とは? ~ 不動産登記用語解説③
    不動産登記用語解説、第3回目は「買戻権」です。

    不動産売買と同時に、売主は、買主が支払った売買代金及び契約費用を返還することにより売買契約を解除する特約と締結することができます。これを買戻特約といいます。
    通常の不動産売買で買戻特約をつけることはほとんどありませんが、都道府県、住宅供給公社等の公の機関が、公的な機関が買主に土地を譲り受けた後に 土地を転売しない・住宅を建てる等の条件を守ってもらうためにつけることがあります。
    買戻権が付された不動産をそのまま売買することは通常できません。厳密には売買自体はできますが、もとの所有者に買戻権を行使されたら、不動産の所有権を失ってしまうことになるので、買ってくれる人がいないという意味です。
    買戻期間の経過により、買戻権の権利自体は消滅していても、登記が残ってしまっているということもありますので注意が必要です。

    1 「買戻特約」の登記
    買戻特約は、売買による所有権移転登記の申請と同時に、買戻特約の登記することができます。この買戻し特約の登記をすることにより、第三者に対しても買戻特約を主張することができます。たとえば、買主が第三者に当該不動産を譲渡したとしても、売主は、買戻権を行使することにより売買した不動産を買い戻すことができます。

    2 買戻の期間
    買戻特約には、買戻期間を定めることができます。
    買戻期間は最長10年間でそれより長い期間を定めたときは、10年間に短縮されます。
    買戻期間を定めなかったときは、その期間は5年間になります。
    買戻特約(買戻権)は、買戻し期間満了日の翌日に消滅します。

    3 買戻権の抹消登記
    買戻期間満了により買戻特約の効力が消滅したときは、買戻権抹消登記を申請することができます。

    買戻権が登記されている不動産を売却するには、その前提として買戻し特約の登記を抹消する必要があります
    共同申請 買戻権抹消登記は、不動産の所在地を管轄する法務局に現在の所有権名義人(買主)および買戻権者(売主)が共同して申請します。
    嘱託登記 なお、買戻権者が住宅供給公社等の場合は、所有権名義人(買主)の請求により、住宅供給公社等が法務局に買戻権抹消登記を嘱託することになります。(嘱託登記)
    買戻権抹消登記に必要な書類
    ・登記原因証明情報 ・買戻権者の登記識別情報又は登記済権利証 ・買戻権者の印鑑証明書 ※買戻権者が住宅供給公社等の場合は、登記識別情報等及び印鑑証明書は必要ありません。
    登録免許税 不動産1個につき金1,000円

    ご不明な点がございましたら当事務所へお問い合わせください

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