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第71号 平成23年5月 発行
決して「あたりまえ」ではない ~息子の入学式に思う
当職の息子が小学校に入学しました。自閉症という障害を持つため、養護学校に入れようかとも考えたのですが、保育園からの友達も多くいたため、なんとか地元の小学校に入れてもらえるよう尽力し、地元の小学校の特別支援学級に入学することになりました。
入学式当日、新品のランドセルと一張羅に身を包んだ息子は意気揚々と登校しました。心配していた入学式も、友達のまねをして滞りなく終了したのですが、教室に戻った時、事件は起きました。息子の教室は特別支援学級の「4組」です。他の1年生と同じ1年1組・2組の教室に戻るつもりでいた息子が、「4組」の1年生の友達がいない教室に連れてこられた際、「ここじゃないー」と連呼して泣きじゃくったのです。「4組」の教室から出ようとし、席につかない息子を見て、胸を締め付けられる思いがしました。
子供は6歳になると当然に小学校に入学し、普通学級で6年生まで進級し、中学、高校、大学と進学して社会に出て行くものです。紆余曲折はあっても、健常の子であればそれは「あたりまえ」のことです。しかし、障害を持つ当職の息子にとってそれは「あたりまえ」のことではありません。普通に成長し、普通に生きて行く。そんな「あたりまえ」のことが息子にとっては決して「あたりまえ」ではないのです。
世の中には病気や事故で小学校入学すらかなわない子もいます。今回の東日本大震災でも、「あたりまえ」に生きていく機会すら奪われてしまった人がたくさんいます。普段「あたりまえ」と思っていることは、決して「あたりまえ」ではないのです。「あたりまえ」であることは非常に幸せで、感謝すべきことなのです。
当職が今、お客様から仕事をいただいて、事務所を経営し、従業員に給料を払っていけているのも、決して「あたりまえ」ではありません。一人一人のお客様に感謝し、一つ一つの仕事に真剣に全力で取り組んでいかなければならない。息子の入学式の一件で、そんなことを改めて思いました。
解説:登記・相続・裁判等司法書士に関連の深い事項を解説していきます。 |
「自己破産(同時廃止)」
~多重債務解決の最終手段
当事務所では、「登記」「相続」手続の他、「債務整理」業務も行っております。多重債務の整理といえば「自己破産」をまず思い浮かべる方も多いと思いますが、近年は「過払い金」(利息の払いすぎ)の問題もあり、多くの場合「自己破産」にまで至らないことが大半です。ただ、整理をしても多額の債務が残ってしまう方の場合「自己破産」を選択せざるを得ないことになります。
1.自己破産(同時廃止)とは?
自己破産とは本来、裁判所を通じて、財産を換価して債務の返済にあて、残りの借金を免除してもらう手続です。多額の資産を持っているがそれを上回る債務を負っている場合、裁判所に「管財人(弁護士)」を選任してもらい、財産を換価(売却等によりお金に換える)し債務の返済にあてる「管財」手続を経る必要があります。
しかし、「管財」手続には費用がかかるため少額の資産しか持たない人の場合足が出てしまいます(例:20万円しか財産を持たない人の破産に40万円の費用をかけるのは不合理)。そのため、資産のない又は少ない人の場合、「管財」手続を省略して破産手続を進めます。このように、「管財」を行わない破産手続のことを「同時廃止」と呼びます。
2.自己破産のデメリット
全ての債務を免除してもらう自己破産には当然のことながら「デメリット」が発生します。ただ、会社を解雇されたり、生活用品まで手放さなければならなかったり、選挙権がなくなったりということはありません(そのようなイメージを持たれる方も多いようですが)。自己破産は「人生をやり直す」ための手続です。仕事を失うようなことがあっては、借金がなくなっても結局生活できなくなってしまいます。故に、自己破産をしても最低限度の生活ができなくなるような大きなデメリットはあたえられません。
自己破産のデメリットには以下のようなことがあげられます。
3.自己破産(同時廃止)の流れ
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