
~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~ 第251号 令和8年6月発行
A COLUMN ~記事~
四半世紀司法書士 ~ 7月第1日曜日は司法書士試験
皆さんご存じないとは思いますが、毎年7月の第1日曜日は「司法書士試験」の日です。司法書士を志している方は、今が直前期の大変な時期でしょうね。司法書士試験の受験者はピーク時の3万人超と比べて、現在は約半数の15000人程度です。3%程度だった合格率も、昨年でいうと5%くらいに上がっています。それでも非常に難関な試験であることに変わりはありません。
少子化、過払い金バブルの終焉、AI等の発達による将来性の不安等、司法書士を目指す人が減っている原因は様々です。個人的には、タイパを重視する現代の若者達に「試験が難し過ぎるのに将来食っていける保証がない」司法書士が敬遠されていることが、受験生減少の最大の原因だと思っています。それでも、5%という狭き門に挑戦する人はたくさんいます。受験者数が最低となった5年ほど前から比べると、毎年少しずつ受験者が増えているのだそうです。とにかく、そんな志の高い受験生たち、みんな頑張ってほしいものです。
当職が司法書士試験に受かったのは平成13年(2001年)です。合格してすぐ実務に携わるようになったので、もう「四半世紀」司法書士をやっていることになります。25年経てば世の中も大きく変わります。司法書士の業務も、簡易裁判所の訴訟代理権が付与され、登記のオンライン申請が始まり、仕事のやり方自体が大きく変わりました。当職の仕事のやり方も、時代に合わせて変わってきました。それでも、「お客様のために」という姿勢を変わらず持ち続けて職務にあたってきたことが、紆余曲折ありつつも、司法書士を四半世を続けられた要因だと自負しています。
今後、さらに世の中が変化し、司法書士の仕事も変わっていくでしょう。当職が次の四半世紀、つまり半世紀司法書士としてやっていくためには、今まで通り、変化に対応しつつも顧客本位の姿勢を変えないということが大切だと思っています。
いろいと格好のいいことをいいましたが、実は当職の司法書士登録は平成15年3月なので、厳密には司法書士になってまだ23年です。ただ、「四半世紀」って言いたかっただけの、本号のコラムでした(笑)

EXPLANATION ~解説~
相続税① ~ 不動産にまつわる税金⑦
当職は司法書士であって税理士ではありません。ただ、不動産を扱う職種である以上、その不動産にまつわる税金の質問を受けることは多々あります。当事務所の業務のおよそ3割程度は「相続登記」です。相続が発生すれば、不動産の相続登記をしなければいけません(相続登記の義務化が法制化されて、もう2年になります)。ただ、相続が発生した場合、もう一つ避けて通れないのが「相続税」です。
相続税には「基礎控除」があるため、ほとんどの人が相続税を払う必要はありません(全体の8%ほどと言われています)。相続税申告の必要もありません。そもそも、財産をたくさん持っている富裕層の方は生前から相続税対策をしている方が多く、相続登記のために司法書士事務所の門をたたく前に税理士さんに相談済みだったりします。そのため、当事務所に相続登記の依頼に来るお客様の多くは、相続税の心配をする必要がないことがほとんどなのです。
それでも、一般の方々にとっては、そんなことは知らない場合がほとんどです。「相続税はかからないですよ。申告も必要ありません。」と当職が言った時に、安堵の顔を見せる方はたくさんいます。お客様に安心してもらうためにも、司法書士も相続税の基礎くらいは知っておかなければなりません。
1 相続税の申告が必要な人は?
被相続人から相続などによって「財産を取得した人それぞれの課税価格の合計額」の価額の合計額から「相続財産の価額から控除できる債務と葬式費用」の金額の合計 額を差し引いた金額が、「遺産に係る基礎控除額」を超える場合、その財産を取得した人は、相続税の申告 をする必要があります。
基礎控除の計算方法は下記の通りです。
遺産に係る基礎控除額 = 3000万円 + (相続人の数×600万円)
| 例:夫が妻と子2人をのこして死亡した場合(相続人が3人) 3000万円+(3人×600万円)=4800万円 →夫が遺した財産が4800万円以下であれば相続税はかからず、相続税申告の必要もありません。 |
※「法定相続人の数」は、相続人のうち相続の放棄をした人があっても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいますが、 被相続人に養子がいる場合に法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人(実子がいないときは2人)までとなります。
→ 相続税の基礎控除を増やすために養子を迎えることもできますが、控除されるのは1名分だけです
2 不動産の評価方法
相続税を計算する場合(基礎控除内かどうか確認する場合も同様)の不動産の計算方法は「路線価」又は「倍率方式による評価」によります。
どちらも国税庁HPの「財産評価基準書」より調べることが可能です。
路線価の計算方法については「ながしま事務所通信」第246号でも取り上げております。
3 相続税の申告
相続税の申告をする必要がある場合には、相続の開始があったことを知った日(通常の場合は、被相続人 が亡くなった日)の翌日から10か月目の日までに、被相続人の住所地を所轄する税務署に相続税の申告書 を提出するとともに、納付税額が算出される場合には、納税しなければなりません。
申告書の提出期限に遅れて申告と納税をした場合には、原則として加算税及び延滞税がかかります。
相続税の税率や計算方法については次号にて取り上げます
ご不明な点がございましたら、当事務所へお問い合わせください
