相続

No.114 相続による不動産の名義変更

    ~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~

    第114号 平成26年12月 発行

    相続による不動産の名義変更 ~ 「相続登記」手続の流れ

    そして神戸~ 街の進化に想う

     先日、某団体の親睦旅行で神戸に行ってきました。神戸は、当職が大学の4年間、いわば青春時代を過ごした街です。大学を卒業してからも3年ほど関西に住んで、しばしば神戸に遊びに行ったりしていましたが、岡崎に帰って来て約15年間、ほんの数回しか神戸へ行くことはありませんでした。特に、三宮、元町、ハーバーランドといった繁華街の街並みに繰り出すなんて、本当に15年ぶりです。
    15年ぶりの神戸の繁華街は、本当に様変わりしていました。当職は阪神大震災当時も神戸に住んでいました。震災復興を遂げる様も目の当たりにしてきましたが、それから15年経って、ここまで変化しているとは…。小さな店舗が軒を連ねていた三宮の繁華街は、大きなビルが建ち並び、おしゃれではあっても規模はそんなに大きくなかったハーバーランドにも、巨大なショッピングモールがいくつもでき、一大ショッピングタウンと化していました。比較的下町風情があった繁華街周辺の住宅街も、タワーマンションが何十棟もそびえ立っていました。
    ただ、特筆すべきは、それだけ大きな変化をした街なのに、昔の神戸の面影をしっかり残していることです。街並みが大きく変わって、一瞬今自分がどこを歩いているのかわからなくなるのですが、しばらく歩くと「やっぱりここは神戸だ」と実感できるのです。言葉ではうまく表現できないのですが、街の雰囲気はそのままに、建物だけが新しく、大きくなっているようなイメージなのです。これは、街が変化したというより、「進化」したと言った方がふさわしいようにも思えました。

    当職自身も齢40歳、当事務所ももうすぐ開業10年で法人化もしました。ただ、変化するのではなく、「進化」していけたらと、思ったか思わないかはさておき、変わったけど変わらない夜の神戸を十分に楽しませていただいたことだけは事実です(^_^;)

    相続による不動産の名義変更 ~ 「相続登記」手続の流れ



    司法書士はそもそも、「不動産登記」のスペシャリストです。そのため、相続関係の手続の中で、当事務所が実施に受任することが多いのも当然「相続による不動産の名義変更」いわゆる「相続登記」になります。そこで、本号では、その「相続登記」の手続の流れについて解説します。

    1 ご相続の前に

    相続が発生し、不動産の名義変更が必要となった場合、多くの場合、司法書士に手続を依頼することになります。もちろん、「何もわからない、何も決まっていない」状態で、ご相談に来ていただいても結構ですが、以下の点を決めて(用意して)相談に来ていただけると、手続がスムーズに運びます。
    ① 遺言書があるかどうかを確認する (遺言書がある場合はその遺言書をお持ちください)
    ② どの不動産の名義変更をしなければならないかを確認する (市から毎年春に送られてくる「固定資産課税明細書」を見ていただくのが一番手っ取り早いです。)
    ③ 相続人間で、誰がその不動産を取得するかを相談して決めておく (決まっていない場合、どう決めてよいかわからない場合の相談にも乗りますが、決まっていると手続はスムーズに進みます)
    ④ 戸籍謄本を用意する (不動産を名義変更する前に、銀行預金等の手続をされた場合は、その際に相続手続に必要な戸籍類を取得されているはずです。相続登記にもその戸籍類が必要になるため、お持ちいただけると手続が早く進みます。)

    2 相続登記の流れ

    司法書士への相談から、相続登記の完了までの手続の流れは以下の通りです。
    ※ 遺言書がある場合、法定相続(法律上の相続分通りに名義をつける)場合は流れがことなります。

    ① 司法書士に相談~依頼
    お手元に遺言書、戸籍謄本、固定資産課税明細書があればお持ちください。
    ※ 固定資産課税課税明細書があれば、その場でだいたいの手続費用の算出が可能です。 成年後見の申立が適当かどうかの判断、成年後見人候補者の決定等
    ※ 申立をする司法書士に後見人候補者になってもらえる場合もあります

    ② 相続する不動産の調査・確定
    司法書士が、登記簿謄本(又は、インターネットで取得する登記情報)を取得し、相続登記が必要かどうかを調べます。
    どの不動産が相続財産となるかわからない場合には「名寄帳」等を市役所で取得し、相続対象となる不動産を確認します。

    ③ 相続人の調査・確定
    亡くなられた方(「被相続人」と言います)の出生~死亡までの戸籍(除籍)謄本を取得し、誰が相続人となるかを調査します。
    戸籍(除籍)謄本の取得は依頼者(相続人)ご自身ですることが可能ですが、司法書士に依頼することも可能です。
    ※ 当事務所では、ご自身で取得できるものに関してはご自身で所得いただき、本籍地が遠方であったり、相続関係が複雑であったりする場合には、司法書士に依頼いただいて職権で取得することが多いです。

    ④ 遺産分割協議書の作成
    相続人のうち、誰が不動産を取得するか決まっている場合には、「遺産分割協議書」の作成をいたします。
    ※ 「遺産分割協議書」とは、相続人の皆さん全員が、誰がどの財産を相続(取得)するかを協議(相談)し、その内容を書面にしたものです。申立人、本人、成年後見人(保佐人、補助人)候補者が家庭裁判所に呼ばれて事情を聞かれます

    ⑤ 遺産分割協議書への署名押印
    司法書士が作成した「遺産分割協議書」に、相続人全員が署名し、実印を押印していただきます。
    ※ 相続人全員の「印鑑証明書」をご用意いただきます。

    ⑥ 相続登記の申請
    ⑤までの書類が整えば、司法書士が、不動産を管轄する法務局(岡崎市・幸田町の不動産の場合名古屋法務局岡崎支局)へ登記の申請をします。
    ※ 通常この相続登記申請の前に費用(司法書士報酬と印紙代等実費)をお預かりします。

    ⑦ 相続登記の完了
    法務局の混み具合にもよりますが、通常1週間程度で登記が完了し、権利証(登記識別情報)が発行されます。

    ⑧ 権利証と相続関係書類のお渡し(手続終了)
    相続登記完了後、権利証(登記識別情報)と相続関係書類(戸籍類と遺産分割協議書、印鑑証明書等)を交付、返却させていただきます。
    ※ 返却させていただいた相続関係書類は銀行預金や有価証券等他の財産の相続(名義変更)に使用することもできます。

    相続人に未成年書がいる場合、相続放棄している方がいる場合(又はこれから相続放棄をする相続人がいる場合)、遺産分割の協議が整わない場合、相続人のうち行方不明者がいる場合等、状況によって別途様々な手続きが必要になります。ご不明な点がございましたら、当事務所へお問い合わせください。

     

    ながしま事務所通信

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