~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~
第146号 平成29年8月 発行
自己破産 Q&A ② ~自己破産手続の現状
A COLUMN ~記事~
慣れと段取り ~ 久しぶりに料理をつくったら
久しぶりに夕飯をつくりました。当職は家庭事情から昨年まで毎日料理をしていたのですが、自分で料理をしなくてもよい状況になって約半年。台所に立つ機会はほとんどなくなっていました。
献立は、子どもたちのリクエストで「豚肉とネギのふんわり卵炒め」。手早くつくれるので、以前は頻繁に我が家の食卓にあがっていた料理です。何度もつくっている料理なので、「すぐできる」と思っていたら、どうにも勝手が違いました。手順はおぼえていたものの、調味料の分量も思い出せず、クックパッド先生に教えを請いながら以前の倍程度の時間をかけてようやく完成。クックパッド先生のおかげで、できばえはまあまあでしたが、しばらく料理をしないだけで、ここまで段取りが悪くなるものかと、ちょっと自己嫌悪におちいりました。毎日当たり前のようにやっていることでも、しばらくしないだけで調子がくるってしまうんですね。家事も仕事も一緒かもしれません。
当事務所でも、優秀なスタッフのおかげで、当職が自分でやらなくてもよい(開業当初は自分でしていたけれど、今はスタッフ任せの)仕事が多々あります。お客様の相談や、不動産売買の立会等、直接お客様に会わなければいけない仕事はスタッフ任せにはできません。(当事務所には当職の外に現在3名の司法書士がいるため、お客様への対応も彼らに任せることも多々ありますが、要所要所では当職が対応しています。)ただ、書類の作成はほぼスタッフ任せです(もちろんチェックはしますが)。土日の急ぎのお客様に対応するために、当職がたまに書類を作成すると、やたらと時間がかかってしまったりします。作成する書類の内容については頭に入っていても、ソフトの使い方や印刷の仕方をど忘れしていたり…。
仕事量もスタッフの数も増え、ある程度分業をしていかなければ仕事が回っていかないのも事実です。今後も当職が自分で書類を作成することは多くないでしょう。でも、相談や立会といった仕事までスタッフ任せにしていたら、当職は段取りの悪い司法書士になってしまい、結果お客様にご迷をかけることに繋がってしまいます。今後もお客様に「段取りのよいサービス」を提供できるよう、現場を離れることなく、できる限り当職が自分でお客様への対応をしていきたいと思っています。
EXPLANATION ~解説~
自己破産 Q&A ② ~自己破産手続の現状
前号に引き続き、「自己破産」に関する疑問をQ&A方式で解説します。
自己破産Q&A
Q⑥ 自己破産のデメリットは?
A 自己破産による大きなデメリットは以下の3点です。「自分が自己破産した」という事実に対する精神的なデメリットが実は一番大きいのかもしれませんね。
● 借入が今後約7年間できなくなる(ブラックリストに載るため)
● 破産者の住所氏名が、「官報」という国が発行する機関紙に掲載される
● 破産開始決定を受けてから、免責決定を受けるまでの間は保険の外交員、警備会社の警備員など一部就けない職業がある
Q⑦ 住宅は手放さないといけませんか?
A 自己破産をすれば住宅は通常競売にかかります。(不動産屋さんに売却を依頼する(任意売却)も可能です。)そのため、住宅を手放さずに自己破産をするということはできません。競売の場合は買主が現れるまで(任意売却の場合は不動産の引渡まで)は、住み続けることが可能です。
※ 「個人再生」の手続であれば「住宅資金特別条項」を申し立てて住宅を残せる場合もあります。
Q⑧ 自動車は手放さないといけませんか?
A ローン支払い中の車は、ローン会社が所有者になっている場合がほとんどですので、ローン会社に引き上げられるのが原則です。しかし、ローンが終わっていて、ほとんど市場価値のないような車なら手放す必要はありません。 管轄裁判所によりますが、初年度登録から、5年~7年年以上経過していれば、価値がないものとみなされます。
Q⑨ 多重債務の原因のほとんどがギャンブルの場合、破産できませんか?
A 多重債務の原因のほとんどがギャンブルや浪費である場合は、原則免責されません。(法律上破産自体は可能ですが、債務の免除は受けられないということになっています。)ただし、裁判官の裁量により免責される場合もあります。
※ 「個人再生」の場合はギャンブル・浪費が借金の原因である場合でも原則として免責不許可事由となっていません。
Q⑩ 親族からの借金は除いて、貸金業者からの借り入れについてのみ破産できますか?
A 破産の手続き上、債権者は平等に扱わなければいけません。親族に対しては返済するけれど、貸金業者に対しては返済しない、というような取り扱いは許されません。意図的に債権者から親族を除外するようなことをしてしまうと、免責が受けられなくなることもあります。親族にだけ先に返済する(偏頗弁済)というようなことも許されません。
Q⑪ 主債務者が自己破産したら、保証人は一括して返済しなければならないのですか?
A 主債務者が自己破産をすると、保証人に請求がいきます。一括で返済するよう請求されますが、話し合いによって、分割払いに応じてくれる場合が多いです。通常の分割払いでは支払いが難しいのであれば、保証人も主債務者と一緒に自己破産、個人再生、任意整理等の他の債務整理の手続きをとることも可能です。
Q⑫ 「ブラックリスト」ってなんですか?
A 実際に「ブラックリスト」というものがあるわけではなく、信用情報機関に事故情報が記載されることを、一般的に「ブラックリストに載る」と言っています。 自己破産をすると約7年の間信用情報機関に登録され、借金をするのが難しくなります。これは、自己破産だけではなく、個人再生や任意整理等、どの債務整理の方法をとった場合でも同じです。
ご不明な点がございましたら、当事務所へお問い合わせください。