~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~ 第211号 令和5年2月発行
A COLUMN ~記事~
休日のドライブ ~ 仕事ととらえず
当事務所の営業日はカレンダー通り(土日祝日休み)です。休日は法務局が開いておらず、登記の申請や登記簿謄本の取得ができません。現在は、土日祝日でもインターネットで登記情報の取得したり、オンラインで登記申請(受付はされません)をすることが可能になっていますが、裁判所や市役所等他の役所等も開いていないので、できることは限られてしまいます。結果、当事務所に限らず、ほとんどの司法書士事務所がカレンダー通りの営業をしています。
ただ、当事務所の取引先である不動産屋さんは土日も営業していますし、一般のお客様も平日は仕事で土日しか時間がとれないという方も多くいらっしゃいます。土日祝日を完全に休んでしまうと、不都合があるということと、お客様サービスの一環として、当事務所は土曜日の午前中は当番制で原則営業しております。
それでは土曜日の午後や日曜日しか時間をとることができないお客様に対してはどうするのか。お断りするわけにもいかないので、当事務所の司法書士が休日出勤をすることになります。当職は父子家庭であるため、数年前までは土日の対応はほとんど他の司法書士に任せていました。ところが、子どもたちが高校生になった今、土日に家にいても子どもたちは父と遊んでくれません。というわけで、最近は休日の出張やお客様対応はほとんど当職がしています。
当事務所の営業範囲は愛知県全域です。お客様が県外にいらっしゃることもあります。結果、毎週末、近場でいえば岡崎市内、豊田、刈谷等西三河全域、名古屋はもちろん、知多方面、春日井、一宮、時には浜松、岐阜方面まで出張することになります。大変だと思えば大変ですが、そもそも当職は運転が嫌いではありません。好きな音楽をかけながらの長距離を運転。仕事が終われば現地で昼食をとったりします。一宮へ行ったら岐阜タンメン、浜松なら餃子等…。そうなれば、出張もある意味「ドライブ」に過ぎません。
休日の出張も、仕事ととらえず、楽しみながらであればそんなに苦ではありません。休日でも当職の身体が空いていれば、原則対応いたします。遠慮なくお声がけください。
(たまには休みたいのでほどほどにお願いします…)
EXPLANATION ~解説~
養子縁組と相続税対策
司法書士は税金の専門家ではありません。ただ、職業柄、贈与税や相続税等、税金の質問を受けることは多々あります。詳細を聞かれれば税理士さんに問い合わせたり、税理士さんを紹介することになりますが、基本的な税務の知識は司法書士でもわかっておく必要があります。
先月号で養子縁組について取り上げましたので、養子縁組を利用した相続税対策についてとりあげます。
相続税の基本「基礎控除」についてはバックナンバー第206号もご覧ください。
1 養子縁組が相続税の節税になる理由
養子縁組が相続税の節税対策になる理由は、相続税の計算が「法定相続人の人数が多いほど減額される仕組み」になっているためです。そして相続税の計算上、養子は実子と同じ相続人としてカウントされるのです。
このため養子縁組をすると相続人の人数が増えて控除額が増えて、結果として相続税が節税になるというシンプルな理由になります。
例えば相続税から控除できる基礎控除は相続人の人数が多いほど控除額が増える計算式になっています。
【相続税の基礎控除の算式】
3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
他にも生命保険の非課税枠等のように相続人の人数が増えるほど非課税枠が大きくなるような規定もあります。
【生命保険の非課税枠の算式(相続人が子3人の場合)】
500万円 × 法定相続人の人数
結果、養子縁組により子ども(相続人)が増えることで基礎控除の額(ここまでは相続税がかからないよという額)が増え、相続税対策になるのです。
2 養子縁組を活用した相続税対策の注意点
① 孫を養子にすると相続税が2割加算される
孫であれば子を飛ばして財産を相続させることが可能になってしまうため相続税を2割加算するという決まりになっています。
ただし孫養子は相続税が2割加算されてしまうので不利になるかというと一概にそうでもありません。相続人が1人増えることの節税メリットは非常に大きいため孫養子が相続して2割加算されても有利になるケースも多くあります。
② 相続税法上の養子縁組の人数には制限がある
では養子をたくさん増やしたら相続税をゼロ円にできるのか?
「いいえ、できません。」 相続税の計算上、考慮できる養子の人数には制限があります。
・ 故人に実子がいる場合は相続税の計算に考慮できる養子は1人まで
・ 故人に実子がいない場合は相続税の計算に考慮できる養子は2人まで
しかし、実親の家系と養親の家系はそれぞれ独立した関係なので、親同士が親族になるわけではありません。