担保解除

No.219 休眠抵当権の抹消① ~ 法人が抵当権者である場合

    ~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~                                                    第219号 令和5年10月発行

    A COLUMN ~記事~

    手間はかかるが ~ 愛犬の抜け毛事情

    わが家に柴犬がやってきておよそ8カ月。覚悟はしていたものの、ついにその時期がやってきました。「換毛期」です。柴犬は抜け毛の多い犬種です。夏毛と冬毛が生え替わる春秋には、大量の抜け毛が発生します。今年の春はまだ子犬だったため、抜け毛はありませんでしたが、今年の暑い夏の終わりが見えてきた9月末から、大変な量の抜け毛が…。正直想像以上でした。シャンプー後には毛が部屋中を舞い散り、床には西部劇の枯れ草のごとく毛玉が転がっています。ソファにはコロコロでは取り切れないほどべったりと毛がまとわりついています。

    このままではいけないと、毎日のようにまめにブラッシングをすることにしました。ブラッシングしたらしただけ毛が抜けます。抜けたら抜けただけすぐ新しい毛が生えてきているのではないかと思うほど、ブラッシングの無限ループです。床に落ちた毛も気になるので、掃除もまめにすることになります。いつまでこんな状態が続くのだろうと、うんざりしていましたが、毎日ブラッシングを続けていたら、若干抜け毛が落ち着いてきました。寒くなるまではまだまだ油断はできませんが、とりあえずひと安心です。

    手間はかかりますが、悪いことばかりではありません。毎日ブラッシングをしていると、最初は嫌がっていたわが家の愛犬も慣れてきたのかそんなに嫌がらなくなりました。ブラッシングがスキンシップになったのかもしれません。まめに掃除をしている分、わが家の居間も換毛期前よりきれいな状態を保てています。(犬を飼っているとまめに掃除するので室内のダニが少ない場合が多いとテレビでもやっていました。)

    手間のかかる仕事は敬遠しがちですが、コツコツと一生懸命やっていれば、お客様との信頼関係が築けることもあります。時間も手間もかけた仕事をやり遂げた時の達成感はまた格別なものがあります。仕事上でも一緒ですよね。

    手間がかかるからといって嫌がらず、いただいた仕事を笑顔でまめに、コツコツとこなせる司法書士でありたいものです。

    余談ですが、抜いても抜いても毛が生えてくる愛犬を見て、若干髪の毛が寂しくなっている中年の当職は、ちょっとうらやましく思ってしまいます…

     

    EXPLANATION ~解説~

    休眠抵当権の抹消① ~ 法人が抵当権者である場合

    休眠抵当権とは、つぎのような抵当権のことを指します。

    ○ 明治・大正・昭和初期に設定された古い抵当権 

    ○ 抵当権としての実体的な効力は失われており、「登記という形式」だけが残っている古い抵当権

    休眠抵当権が残っているからといって、ただちに実害が生じるわけではありませんが、土地を売却したり、土地を担保に借り入れをするなど、土地の権利を変動させる際には、休眠抵当権を抹消することが求められます。

    休眠抵当権が残っているままでは、たとえば「売買による所有権移転登記」や「融資を受けるための抵当権設定登記」が事実上不可となってしまうという問題が生じます。

    休眠抵当権を抹消する場合には、住宅ローンの完済に伴う場合のような通常の抵当権抹消手続とは異なった手続きが必要になる場合も多々あります。

     

     

    1 合併等で現存している法人を相手方として行う抹消手続

    銀行や農協等、現在はくなっている金融機関の抵当権が抹消されずに残っているというケースはよく目にします。

    ただ、多くの場合、その金融機関は合併により解散したものであることが多いため、調査をして合併先の現在存続している金融機関がわかれば、通常の抵当権抹消手続きよりは時間がかかるものの、1~2カ月程度で手続きを完了させることができます。

    合併先の金融機関に連絡すれば、抹消書類の再発行を受けることができます。ただ、もともとの「抵当権設定契約書(登記済証)」を紛失している場合が多く、登記済証の再発行はできないため、「事前通知制度」と呼ばれる方法で登記手続を行います。


    <事前通知制度>

    事前通知制度とは、登記識別情報の提供(登記済証の提出)が必要となる登記において、これらの書類が提供(提出)されないで申請手続きがなされたとき、その登記が登記名義人本人の意思に基づいて申請されたのかを登記官側で確認したうえで登記手続きを実行するための制度です。

    本来添付すべき登記済証を添付せずに登記を申請するため、法務局から抵当権者(金融機関)に「御行の抵当権の抹消手続きが申請されていますが間違いありませんか?」という照会の通知が送られ、「間違いありませんよ」抵当権者が通知を返送されて初めて抵当権の登記が抹消されます。

     

    2 解散した法人の清算人を相手方として行う抹消手続

    合併ではなく、通常の「解散」をしてなくなってしまった会社(銀行等)の抵当権を抹消する場合は、その会社の清算人を相手に抵当権抹消登記を行います。

    抵当権者である会社の登記簿(閉鎖登記簿)を調査士、清算人がわかれば、その清算人(清算結了している場合は最後の清算人)に連絡をして、抵当権抹消書類を再発行してもらい抵当権抹消登記を行います。(この場合も「事前通知」による場合がほとんどになるかと思います。)

    ※ 不動産登記法の改正により、本年4月からは、解散手続きを進めた清算人の所在が判明しない場合で、債務の弁済期および解散の日から30年経過していれば不動産の所有者が単独で抹消登記を申請することが可能となりました。

     

    3 供託・訴訟による抹消手続

    調査をしても債権者である会社がわからない場合、抵当権抹消手続に協力してもらえない場合は、供託(債権額に利息等を加えた額を国に支払って弁済したものする手続)や、訴訟により抵当権を抹消します。

    訴訟による場合は、「抵当権を抹消せよ」という判決をもらえば、抵当権者の協力なしに抵当権の抹消ができますが、どうしても時間と費用がたくさんかかってしまうというデメリットがあります。

    ※ 供託に関しては次号(②個人が債権者である場合)で詳細を解説いたします

     

     

    ご不明な点がございましたら、当事務所へお問い合わせください。

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