~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~
第137号 平成28年11月 発行
「合同会社の設立」 ~ コストをかけずに法人化
A COLUMN ~記事~
たった2年の差でも ~ 学芸会に思う
先日、当職の子どもたちが通う小学校で学芸会がありました。
4年生の娘のクラスは、当職が6年生の時に学芸会でやった劇と同じ劇。しかも、娘の役は当職と同じ「司会者」役。ふしぎな縁を感じました。「司会者」役は台詞が一番多く、主役級の役でしたが、芸達者な娘は立派に演じてくれました。親としても誇らしかったです。
6年生の息子のクラスは「火垂るの墓」。言わずと知れた名作です。ほほえましい4年生の劇に比べ、さすがは6年生。あっという間に劇に引き込まれ、涙をこらえることができませんでした。劇自体が違うので単純に比べることはできませんが、たった2年の差で、ここまで劇のクオリティが上がるのかと驚かされました。
子どもの成長は早いもので、2年も経つと別人のように成長します。ただ、大人になると2年やそこらで別人のように…とはなかなかいきません。当職も2年前と比べてどうかと言われると、若干経験値を稼いだくらいで、レベルアップしたとまでは言えないような気もします。ただ、当事務所のスタッフを見ていると、入所して2年で当職の片腕と呼べるまでに成長した者、入所1年に満たないのに一人前の司法書士として立派に仕事をこなしている者…。大人でも短期間で大きく成長できるんだと、実証してくれています。
要は「環境」と「意識」次第で、大人でも短期間で成長できるのです。当事務所はおかげさまで近年、業績が右肩上がりに伸びています。当然、スタッフ一人一人に任せる仕事量も増えています。多くの経験を積める環境が整っているのです。でも、「任された仕事を責任持ってやるんだ」、「もっと成長したい」といった「意識」がなければ、実際の成長には繋がりません。実際に、意識が低く、当事務所の業務についていけなかったスタッフも過去にいたのも事実です。ただ、現在の当事務所スタッフは皆意識が高く、どんどん成長してくれています。当職は本当に幸せものです。
ちなみに、学芸会での息子の役はナレーター。自閉症の息子が、感情を込めて劇の最後の長台詞を言う姿に、二重に感動させられました。結局この2年で一番成長したのは彼かもしれません(親バカ)。
EXPLANATION ~解説~
「合同会社の設立」 ~ コストをかけずに法人化
2006年5月の新会社法施行によって、「合同会社」という新しい形態の会社を設立することができるようになりました。この「合同会社」、設立費用や会社を維持するランニングコストが安く、柔軟な会社経営ができるということで、近年、飛躍的に増えている会社形態です。
① 合同会社とは
合同会社は、出資者全員が間接有限責任社員によって構成される会社形態です。 個人事業主や合名・合資会社の場合、「事業破綻・倒産等に陥った場合は無限に責任を負う」こととなっていますが、合同会社は株式会社と同様に「間接有限責任」にとどまるため、一定のリスクは回避できます。また、意思決定方法や利益の配分が出資比率によらず自由に決められる点も大きな特徴です。
② 合同会社のメリット・デメリット
合同会社の「メリット」、「デメリット」は簡潔に言うと下記の通りです
合同会社のメリット
・設立費用が安い : 株式会社に比べ設立のための実費が約14万円も安くすみます
・ランニングコストが安い : 定期的な役員変更が不要なので、そのための登記費用等が不要となります
・利益分配・経営の自由度が高い
・資金調達の幅が広い
・株式会社と税制が同じため節税ができる
合同会社のデメリット
・国内での知名度が低い : 合同会社が株式会社よりも地位として下という認識の方が多い
・人的問題 : 合同会社では基本的に社員(=出資者)全員が業務執行権を持ちます。そのため社員間で意見対立が起きてしまうと苦労してしまう可能性があります。
③ 合同会社の設立
合同会社の設立の流れは非常にシンプルで、株式会社と比べても遥かに簡単だと言えます。
① 設立する会社の内容の決定(商号、本店所在地、事業目的、資本金の額、社員構成等)
↓
② 定款の作成
↓
③ 代表者の印鑑証明書を取得
↓
④ 会社印の作成
↓
⑤ 資本金の払い込み(個人の通帳に資本金を入金する)
↓
⑥ 登記申請
↓
⑦ 開業の届出(税務署等)
※ 株式会社を設立する場合と比較
・決めなければいけない項目が少なく、作成しなければいけない書類も少ないため、設立の準備が容易。
・「定款の認証」が不要であるため、公証役場に出向く必要もなく、認証費用(5万円程度)も不要。
・登録免許税(設立登記に必要な印紙)が6万円(株式会社は15万円)。
→ 株式会社に比べ、安く容易に会社設立ができると言えます。