不動産登記

No.138「権利証は再発行できるの?」

    ~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~

    第138号 平成28年12月 発行

     

    「権利証は再発行できるの?」  ~ 登記識別情報の失効手続等

    A COLUMN ~記事~

    数字とやりがい ~ マラソン大会に思う

     
    当職の子どもたちが通う小学校でマラソン大会があったので、応援に行ってきました。当職が小学生の頃は、マラソン大会に親が応援に来ることなんてなかったのですが、今はほとんどの親が応援に来るとのこと。父子家庭のわが家は、当職が行かなければ他に誰も行ってくれる人がいないので、毎年なんとか都合をつけて応援に行っていました。仕事を調整するのは大変ですが、そのおかげで、子どもたちの頑張りや成長を見ることができるので、貴重な機会でもあったりします。

    当職の長男は6年生。小学校最後のマラソン大会です。自閉症で特別支援学級の長男は、1年生、2年生の時は自分一人で走ることができず、先生と一緒に走っていました。結果は当然のように最下位でしたが、それでも完走できたことに感動を覚えました。3、4年生の時は、先生の伴走なく完走できるようになり、順位も最下位でなく、32人中29位。昨年はたしか26位だったと記憶しています。そして、今年はというと、過去最高の25位!健常の他の子たちとまったく同じように走っている姿に、また今年も感動させられてしまいました。

    最近はあまり聞かなくなりましたが、ゆとり教育の頃は「子どもたちに順位をつけるのはけしからん」と言って、一部の小学校で運動会やマラソン大会で順位をつけなかったという話を聞いたことがあります。しかし、順位を意識することで、子どもたちはやりがいや達成感を得ることができると思うのです。長男も、「今年は20位以内が目標」と言っていたので、25位という過去最高の結果に喜び半分、悔しさ半分って感じでした。

    ほとんどの場合、社会に出たらどうしたって結果が数字となって現れる仕事に就きます。当職も、当然毎月の売上を気にします。小学生の頃から順位や数字を気にし、他人と競い合った経験は、大人になった時にきっと役に立つと思うのです。

    ちなみに、下の娘は今年は6位入賞。昨年までは毎年10位前後で、入賞(6位以内)なんて無理だろうと思っていた当職の予想を、良い意味で裏切ってくれました。素直に褒めてやろうと思っていたら、「入賞したから(ご褒美に)なんか買って!」だってよ…

    EXPLANATION ~解説~

    「権利証は再発行できるの?」~登記識別情報の失効手続等

    「権利証(登記識別情報)をなくしてしまったから、再発行して欲しい」といった相談が寄せられることがあります。しかし、権利証・登記識別情報を再発行・再交付してもらうことはできません権利証・登記識別情報をなくしてしまった場合、どのような問題が生じるのでしょうか?

    ① 権利証・登記識別情報をなくしてしまった時の問題点

    1.次に登記申請をする必要が生じた場合に問題が生じます
    不動産を売却したり、不動産を担保に入れる登記を申請する場合、不動産の所有者であることを証明するために、本来権利証・登記識別情報が必要となります。ただし、権利証・登記識別情報がない場合でも、資格者代理人(司法書士)による本人確認情報を提出する等の方法により、登記申請ができるよう制度が整えられています。
    (詳細は、本通信第60号参照。本通信次号で再度解説を予定しています。)

    2.悪用されるおそれが生じます
    権利証・登記識別情報を、ただなくしたのではなく、悪意のある誰かに奪われてしまった場合には、悪用される恐れが出てきます。(現実にはそんなに簡単に悪用できるものではありませんが)大切な不動産が知らない間に他人名義になってしまったり、自分の不動産を担保に他人がお金を借りていたりしたら大変です。そういった悪用を防ぐために「不正登記防止申出」、「登記識別情報の失効」という手続が用意されています。

    ② 不正登記防止申出

    不正登記防止申出の制度は、不正な登記がされる差し迫った危険がある場合に、申出から3か月以内に不正な登記がされることを防止することができる制度です。
    紛失した権利証を不正な登記(犯罪)に利用される差し迫った危険があるというような、具体的な不安がある場合には、3か月ごとに不正登記防止申出の手続をする必要があります。
    なお、不正登記防止申出の手続は、申出人本人の出頭を原則としていますが、本人が登記所に出頭できない止むを得ない事情があると認められる場合には、委任による代理人が登記所に出頭してすることもできます。

    ③ 登記識別情報の失効の申出

    登記識別情報を紛失し、これが誰かに盗み見られた可能性がある場合などには、登記識別情報の失効の申出ができます。

    <申出ができる者>
    登記名義人、相続人、その他の一般承継人(登記名義人から不動産を取得した者)
    ※ 代理人による申出も可能

    <添付書類>
     印鑑証明書
    ② 法人の場合は資格証明書(又は会社法人番号)
    ③ 代理人による申出の場合は委任状

    (注)権利証の失効を申出ることはできません

    ※ 本人確認情報の作成や登記識別除法の失効の申出を司法書士に依頼した場合、手数料が必要になります。無駄な手間と費用をかけないためにも、そしてもちろん他人による悪用を防ぐためにも、権利証・登記識別情報は厳重に保管するようにしてください。
    ご不明な点がございましたら、当事務所へお問い合わせください。

    ながしま事務所通信

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