不動産登記

No.208 DV等被害者のために ~ 住所変更登記等の特例

    ~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~                                                    第208号 令和4年11月発行

    A COLUMN ~記事~

    No Music , No Life ~ サブスクリプション初体験

     

    新しいスマホを購入しました。そもそもスマホを使いこなせていたわけではないので最新機種を買う必要もなかったのですが、4年も使っていると、バッテリーも、もたなくなってきてしまっていたので。せっかく新しい機種を買ったのでと、いろいろと試していると、音楽のサブスクリプション(定額制サービス)への勧誘が。今まで音楽をスマホで聞くことがなかったので、必要ないかと思ったのですが、月額1000円という安さにもつられ、ポチッとしてしまいました。

    当職はそもそも、というか昔は音楽好きでした。暇さえあればレコード屋さんに通い、月に数万円CDを購入することも。視聴して購入したり、ジャケ買い(ジャケットを見て、聞いたことのないCDを購入すること)してみたり、自宅でも、車の中でも常に音楽が流れていました。当事務所を建てた時も、オーディオにはこだわってアンプやスピーカーを厳選したほどでした。それから、10数年が経過し、仕事や子育てに時間をとられ、音楽を積極的に聞くということはなくなってしまいました。事務所内で音楽は流れているものの、十数年前にハードディスクに入れた曲をヘビーローテーションで流し、単なるBGMとしてしか音楽に触れなくなっていたのです。

    音楽のサブスクリプションを利用してみると、ちょっとでも興味がありそうな音楽はすぐ聴くことができるし、追加料金もなくダウンロードできます。かつての音楽好きの血が滾り、昔慣れ親しんだ曲、今まで触れてこなかった最近の曲、新旧ジャンルを問わず、気軽に試して楽しむことができます。モバイルスピーカーもすぐ買いに行って、No Music、No Life な日常を取り戻しつつある昨今です。

    時代は常に進化し続けています。CDも売れなくなって当たり前を実感しています。昔はよかったと懐かしむのもありだとは思いますが。新しいものも敬遠していては取り残されます。とりあえず試してみることが大切だと実感しました。仕事上でもそうですよね。当事務所は司法書士事務所の中では比較的先端を走っていると思っていますが、そもそも旧態依然の業界内での話です。もっと新しいことを取り入れて、仕事の効率化や、サービスの向上を図らないといけないなと思う今日この頃です。

     

     

     

    EXPLANATION ~解説~

    DV等被害者のために ~ 住所変更登記等の特例

     

    DV・ストーカー・虐待などの被害者(以下、DV等被害者)が、加害者から逃れるために身を置いている住所は、被害者の身の安全を確保すると同時に、さらなる被害を防ぐためにも知られてはなりません。

    ところが、登記記録や登記申請書・附属書類に、DV等被害者の住所が記載されていると、利害関係者から閲覧されることで、住所が漏れてしまう可能性を持っています。

    そこで、DV等被害者については、登記記録や登記申請書・附属書類に対し特別な配慮がされています。身の安全に関わることですので、DV等被害者に該当する方は必ず確認しておきましょう。

     

    1 前提条件:DV等支援措置を受けていること

    DV等支援措置とは、市区町村において住民票(除票)の写し・戸籍の附票(除附票)の写しなど、住所が含まれる文書の交付・閲覧を制限し、DV等被害者の住所を加害者から探索できないようにする措置のことです。

    支援措置を受けるためには、市区町村に申出が必要です。そして、市区町村は申出による支援措置を決定する際、警察署・配偶者暴力相談支援センター・児童相談所などの機関(以下、相談機関)から、被害者の状況を意見聴取します。つまり、建前としては市区町村の判断ですが、実質的には相談機関の意見が重要となるので、先に相談機関へDV等の被害を相談しておくのが、スムーズに支援措置を受けるためのポイントです。

    市区町村が支援措置を決定すると、申出をしたDV等被害者に通知書が出ますので、その通知書(以下、DV等支援措置決定通知書)を、登記申請の際に添付します

     

    2 売主となる場合(住所変更登記の省略)

    原則 : 不動産を売却するときに住所が変わっている売主は、売却直前の現住所を登記してから(住所変更登記といいます。)でないと売却登記(買主への所有権移転登記)をすることができません。

    特例 DV支援決定通知書を添付した場合、住所変更登記を省略することができます(平成25年12月12日法務省民二第809号通達。ドメスティック・バイオレンス及びストーカー行為等の被害者支援に係る住民基本台帳事務処理要綱)

     

    3 買主となる場合(前住所等での登記)

    原則 : 不動産を購入したときは、現住所で登記しなければなりません。

    特例 DV支援決定通知書、上申書(住所を秘匿する必要がある等の事情を記載)、前住所(前々住所が記載された住民票等を添付した場合、前住所又は前々住所等で登記をすることができます

     

    4 登記申請書(及び添付書類)の閲覧制限等

    登記簿上から被害者の住所を隠すことができても、登記申請書などを閲覧されてしまっては、意味がありません。そこで、登記申請書等の閲覧制限を申し出ることもできます。

    また、登記をオンラインで申請した場合、登記完了証に申請者の住所が記載されてしまうため、書面にて申請する等細心の注意が必要です。

     

    ご不明な点がございましたら当事務所へお問い合わせください

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