不動産登記

No.209 司法書士の本人確認 ~ 取引等の安全のために

    ~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~                                                    第209号 令和4年12月発行

    A COLUMN ~記事~

    日本人に生まれて ~ 親ガチャの勝ち組

     

    先日、関東方面へ不動産の売主の本人確認をするために出張してきました。関東方面に出張する際、新幹線の窓から見える富士山を楽しみにしているのですが、残念ながら今回は、雲に隠れてはっきりとその姿を拝むことはできませんでした。当職は富士山が大好きです。富士山を見る度に、「日本人に生まれてよかった」と感じます。四季によってその姿を変える雄大で品のある見た目が、日本や日本人の象徴のような気がするのです。

    近年、日本人の勤勉で奥ゆかしい気質が世界的にも評価されてきているような気がします。日本で財布を落としても高い割合で戻ってくることや、サッカー等のスタジアムで掃除して帰るサポーター、災害時に助け合う姿等、日本人にとってはそれほど特別でないことが、世界的に見るとありえないことだと賞賛を浴びています。ほんの十数年前までは、日本人は積極性に欠けるとか、真面目すぎて個性がないだとか、自己主張が苦手だとか、日本人の気質を自虐し、世界に合わせて変わっていかないといけないという論調の方が主流だったように思います。ただ、その気質も日本人の長所と捉え、その気質を評価する方向になってきているように感じます。

    以前、テレビの討論番組で「親ガチャ」(人は生まれ持った環境に人生を左右されることをカプセルトイ(ガチャガチャ)に例えたネットスラング)を取り上げていた際に、ある作家が、「日本に生まれただけで勝ち組」という発言をしていました。当職もその通りかもしれないと共感しました。決して他国を悪く言うつもりはありません。太平洋戦争以降戦争がないことや、治安がよく、経済的に発展していることも日本に生まれた長所かもしれませんが、それよりも、日本人気質をもった日本人に生まれ、そんな日本人に囲まれて成長し、日本人として生きていけること自体が「勝ち組」だと思うのです。

    当職は、積極的に欠け、個性がなく、自己主張が苦手な(奥ゆかしく、勤勉で、他人をおもんぱかる)日本人が大好きです。そんな日本人であり続けたい思っています。

     

     

     

    EXPLANATION ~解説~

    司法書士の本人確認 ~ 取引等の安全のために

     

    司法書士の仕事は、法務局、裁判所、検察庁などへ提出するための書類を作成したり、申請の代理をしたりする仕事です。登記申請等、一般の方では難しく、専門的な知識が必要な書類を作成して、手続きを代行させていただくのですが、単に手続き的なことをするだけの仕事ではありません。

    司法書士には依頼者について「本人確認」を行う義務があります。本人確認を徹底し、様々な取引の安全を護ると言うことが司法書士の職責と言えます。

     

    1 本人確認とは

    司法書士が依頼人から業務を受託する際には、次のことを確認しなければなりません。

    ☑ 依頼者及びその代理人等がご本人であること(人の確認)

    ☑ 依頼内容の対象(物の確認)

    ☑ 依頼の意思がご本人自身の意志であること(意思の確認)

    不動産の売買の場合、売主又は買主がご本人に間違いないこと、売買対象物件、売買する意思の確認を行います。

     

    2 本人確認の方法

    本人確認の方法に関しては、司法書士会の「依頼者等の本人確認等に関する規定基準」に定められています

    原則  :  依頼者と面談し、本人確認書類(後記3)の提示を受ける方法(第4条第1項)

    例外 : 面談によらない合理的理由がある場合には、本人確認書類又はその写しの送付を受けて、(中略)当該確認書類に記載された住所に宛て、当該依頼者等に対し、転送不要扱いの書留郵便等により文書送付を行い確認する方法(第4条第2項)

     

    当事務所の場合、原則面談により本人確認をさせていただきます。(遠方にお住まいの方であっても、近県にお越しいただいた際にお目にかかるか、住所地等へ司法書士が伺って本人確認させていただきます。)

    遠方かつ、お時間の調整等がどうしても難しい場合等、面談が困難な場合、売買契約時の状況等ヒアリングを行い、面談によらない本人確認を行うことが問題ないと司法書士が判断した場合に限り、例外の方法(お電話と本人確認書類上の住所地に宛てた本人限定受取郵便による書類の送付)により本人確認を行います。

    ※ 住所地にお住まいでない場合、郵便をご本人が受け取ることができない場合(施設に入所されている等)、権利証・登記識別情報がない場合には、例外の方法による本人確認はできません

     

    3 本人確認書類

    ○ 1通で足りるもの (顔写真付きのもの)

     ・ 運転免許証(又は運転経歴証明書)

     ・ マイナンバーカード(写真付き)

     ・ パスポート

     ・ 在留カード又は特別永住者証明書(外国人の場合)

     

    ○ 2通以上用意していただくもの

     ・ 健康保険証

     ・ 介護保険の被保険者証

     ・ 国民年金手帳

     ・ 身体障害者手帳、精神障害者福祉手帳、療育手帳

    ※ 以上のご用意ができない場合、原則マイナンバーカードを作成(又は再交付)していただきますが、司法書士にご相談ください。

     

     

    ご不明な点がございましたら当事務所へお問い合わせください

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