~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~
第118号 平成27年4月 発行
内助の功に報いる ~不動産贈与の配偶者控除
A COLUMN ~記事~
感謝、感謝、感謝 ~ 毎年繁忙期に思うこと
不動産登記を中心業務とする司法書士にとって、毎年3月は1年で1番の繁忙期です。金融機関や多くの会社の決算期が重なることと、新年度に向けて新居へ転居される方が多いことによって、不動産の売買・引渡が活発に行われ、それに伴い、当然に不動産登記の申請が増え、また当然に司法書士も忙しくなるのです。
今年の3月の当事務所も、例に漏れず、大変忙しく過ごさせていただきました。当職も1人につき1日2件~3件の不動産引渡の立ち会いを掛け持ちする日が続きました。が、もっと大変なのは、当事務所のスタッフです。日中は当職と同様に立ち会い業務をこなしつつ、各方面へ連絡、書類の事前確認やお届け、登記の申請等に走り回らなければならないため、登記の申請書を作成したり、立ち会いの準備をしたりといった作業は、夕方以降にすることになります。結果、残業も連日となり、毎日へとへとになりながら頑張ってくれました。
毎年、この時期は「感謝」を強く感じるの時期です。当職を支え頑張ってくれているスタッフに対する感謝。忙しいと感じるほど仕事をくださるお客様に対する感謝。その仕事を紹介してくれる金融機関、不動産会社、関係各士業の先生方に対する感謝。また、父子家庭の父である当職の仕事に理解を示していろいろ我慢してくれるこどもたちや、その我が家を助けてくれるすべての方々への感謝…。
父子家庭で家庭を守りつつ、司法書士事務所を経営している当職を褒めてくれる方はたくさんいます。でも、当職が仕事と家庭を両立できているのは、単に「当職が頑張っているから」ではなく、「当職を取り巻く周りの皆さんが協力してくれるから」なのです。当職は本当に恵まれています。忙しい時期ほど、それを強く感じます。本当に、感謝、感謝、感謝の春です。
EXPLANATION ~解説~
内助の功に報いる ~不動産贈与の配偶者控除
平成27年1月より相続税法の改正が施行され、当事務所へも、昨年後半くらいから、相続税対策のための「不動産の生前贈与」について相談にみえるお客様が増えています。
ただ、何も考えずに贈与をしてしまうと、相続税は節税できても莫大な「贈与税」を払わなければいけなくなってしまう例もでてきます。不動産を含め財産を贈与するには、常に「贈与税」のことを考えてしなければなりません。
税法上、贈与税の非課税措置を受けられる特例はいくつかありますが、本号では、長年連れ添った夫婦間における不動産贈与が非課税となる「配偶者控除」について取りあげたいと思います。
1.「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」概要
婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円(合計2,110万円)まで控除(配偶者控除)できるという特例です。
2.特例を受けるための適用要件
① 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
② 配偶者から贈与された財産が、自分が住むための国内の居住用不動産であること、または居住用不動産を取得するための金銭であること
③ 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産、または贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること
※ 配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることができません。
※ この控除により贈与税が発生しなくても、必ず贈与税の確定申告が必要となります。
3.不動産の価額の計算方法
上記の要件を満たす場合であっても、2,110万円を超える価額の不動産の贈与をしてしまうと、その超えた部分につき、贈与税を払わなければいけなくなってしまいます。そのため、贈与税を計算するための不動産の価額の算出方法を知らなければなりません。算出方法は下記の通りです。
土地 路線価(国税庁の財産評価基準書 http://www.rosenka.nta.go.jp/)による
建物 固定資産税評価額(市町村の発行する評価証明書等に記載)による
4.不動産登記のための必要書類等
贈与による不動産登記手続を司法書士に依頼される場合には、下記の書類等が必要になります。
① 贈与する不動産の権利証(登記済証、登記識別情報)
② 贈与する方の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)ならびに実印
③ 贈与を受ける配偶者の住民票ならびに印鑑
④ 双方の本人確認資料(免許証等)
ご不明な点がございましたら、当事務所へお問い合わせください。