~ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ~
第153号 平成30年3月 発行
不動産の登記① ~「基本編」
A COLUMN ~記事~
風よけとなって ~ チームパシュート
平昌オリンピックが終わりました。当職も毎日テレビにかじりついて観戦していました。感動的なシーンは多々あったのですが、中でも当職が手に汗握って応援していたのが、日本チームが金メダルを獲得したスケートの「チームパシュート」です。
平昌オリンピックが始まるまで、パシュートのことはまったく知りませんでした。皆さんももうご存じだとは思いますが、パシュートは、3人一組で、最も空気抵抗を受ける先頭を入れ替えながら滑ります。足並みをそろえて滑ることにより、後ろの選手は空気抵抗を受けることなく体力を温存できます。チームワークに勝る日本が、個々の走力に勝るオランダを圧倒したシーンは本当に感動しました。パシュートで先頭を滑ることは、仲間の体力を守るために、風よけとなって空気抵抗を自分が引き受ける、「自己犠牲」のようなものだと当職は感じます。だからパシュートは、「浪花節」が好きな日本人の涙腺に響くのかもしれませんね。
仕事でも、皆がチームとなって行動する時には、誰かが風よけとなって、仲間を守りながら先頭を走らなければならないときがあります。困難に直面した場合、リーダーたる経営者が矢面に立って先頭を走らなければなりません。常に先頭にいて皆を引っ張ることができればそれに越したことはありませんが、なかなかそうはいきません。でも、普段は後ろで力を蓄えていたとしても、いざと言うときには先頭に立ち、風よけとなれるのが本当のリーダーであると当職は思います。
自己診断してみると、正直、当職は常に先頭に立って皆をひっぱていくだけの力はありません。でも、困難に直面したり、ここぞというときは、皆の先頭に立って風よけの役目を果たしたいと思っています。その「ここぞというとき」のために、普段は事務所スタッフに助けてもらって、体力を温存しようと思います。決してさぼっているわけではありません(笑)。
EXPLANATION ~解説~
不動産の贈与① ~ 「基本」編
「長年連れ添ってきた妻に自宅を贈与したい」 「独立して家庭を構えた息子に土地を贈与したい」 「相続税対策のために贈与したい」 …etc. 当事務所へは様々な理由で不動産を贈与したいというお客様がお越しになります。贈与の登記は、税金(主に贈与税)や身内の間のトラブル防止(相続時等)といった配慮が必要な手続です。ある程度の基礎知識を知っておかないと、後で大変な目に遭うことも考えられます。
① 不動産の贈与にかかる税金
不動産の贈与の際には、様々な税金が課せられます。
1.登録免許税
贈与による所有権移転の「登記」をする際に必要となる「印紙代」です。
・課税される人 登記申請人(贈与者及び受贈者)
・税率 固定資産税評価額の2%
・納期 登記申請時
2.不動産取得税
不動産を取得した人(受贈者)に課せられる税金(地方税)です。
・課税される人 不動産を取得した人(贈与の場合は受贈者)
・税率 固定資産税評価額(宅地の場合は1/2)の3%(住宅用以外の土地は4%)
・納期 納税通知書記載の日 ※一般に不動産登記完了後2カ月くらいに通知書が届きます
・特例 一定の住宅用土地・建物への軽減措置あり ※申告が必要です
3.贈与税
財産を贈与により取得した人(受贈者)に課せられる税金(国税)です。
・課税される人 受贈者(1年で合計110万円を超える贈与を受けた場合)
・税率 路線価の10%~50%(贈与を受けた価額に応じて)
・納期 贈与のあった年の翌年の3月15日
・特例 相続時精算課税制度の選択、配偶者への居住用財産の贈与
次号以降で贈与税を支払わずに贈与する方法(特例等)について解説させていただく予定です。
※ 税金の詳細は税務署または税理士さんにご確認ください。
② 贈与の登記
以下の書類等をご用意の上、司法書士にご依頼ください。手続きには本人確認が必要であるため、司法書士と面談をさせていただいた上で登記申請をします。
1 贈与者(不動産をあげる側)の必要書類等
① 権利証 (登記済証又は登記識別情報)
② 印鑑証明書 (登記申請日において発行後3カ月以内のもの)
③ 実印
④ 贈与証書又は登記原因証明情報 (贈与の内容が記載された書面・通常は司法書士が作成)
⑤ 固定資産評価証明書 (登録免許税(印紙代)を算出するのに必要)
⑥ 本人確認資料 (免許証等写真付きの公的証明書が望ましい)
2 受贈者(不動産をもらう側)の必要書類等
① 住民票
② 印鑑 (認印で可)
③ 本人確認資料 (免許証等写真付きの公的証明書が望ましい)
ご不明な点がございましたら、当事務所へお問い合わせください。