～ 知らなくてもなんとかなるかもしれないけど、知ってたらきっと役立つ情報をお届けします ～
第185号 令和2年12月 発行
「合同会社」と「株式会社」 ～ 法人設立 どっちがいいの？
A COLUMN ～記事～
費用対効果 ～ 過酷な山登り
コロナの流行の合間を縫って、先日所属する団体の先輩方と北設楽の明神山に山登りに行ってきました。年に２回ほど同じメンバーで山登り（登山とハイキングの間くらい）に行っているのですが、数年前から始めた当職はまだまだ初心者で、年齢がずっと上の先輩方の健脚に、息を切らしながら何とかついていくのがやっとのレベルです。毎回、しんどい思いをして何とか登頂するのですが、頂上に到達した時の達成感はすばらしく、「苦労したからこそ得られる喜び」を得るために、また今回も山登りに参加しました。
ただ、今回は少し勝手が違いました。今まで登ってきた山とレベルが違うのです。明神山は、素人が登れないような崖や、危険な難所があるわけではないのですが、急な勾配の上り坂が延々と続き、山登り素人の体力を確実に削り続ける心臓破りの山でした。４時間かかってなんとか登頂できましたが、登頂しても景色を楽しむ余裕もなく、当職的には「疲労が達成感を上回る」コストパフォーマンスの悪い山登りでした。（登山経験者、中級者以上の方にとっては歯ごたえのある良い登山コースなのでしょうが…）
当職も経営者である以上、費用対効果（コストパフォーマンス）を常に考えて仕事をしています。かけた費用に対して効果が薄いと考えれば、新しい機材は導入しないし、報酬額に見合わない仕事はお断りさせていただくこともあります。コスト度外視でってこともありますが、この仕事を受けたことでスタッフが成長できたとか、いつもお世話になっているクライアントに喜んでもらえたとか、数字にあらわれないパフォーマンスがあれば、それはもう「コスト度外視」とは言えません。
当職がまた山登りに誘われたら、苦労しても達成感を得るために参加すると思います。ただ、また「明神山」に誘われたら…ちょっと考えちゃいます(-_-;)
EXPLANATION ～解説～
「合同会社」と「株式会社」 ～ 法人設立 どっちがいいの？
「会社」と言われて皆さんがまずイメージされるのは「株式会社」ではないかと思います。他にも、「有限会社」、「合同会社」、「合資会社」等がありますが、近年多く設立されているのが、「合同会社」です。 本号では「株式会社」と「合同会社」の違いについて取り上げたいと思います。
「合同会社」と「株式会社」の違い
① 商号（会社名）
商号（会社名）は、名前の前か後ろに「合同会社」、「株式会社」と入れる必要があります。
② 設立時の費用
会社を設立するときには、法務局にて登記手続きをします。
この時「登録免許税」（印紙代）がかかりますが、合同会社は6万円、株式会社は15万円かかります。
また、株式会社と違って、定款の認証手続きをする必要がないため、合同会社の場合はそのための公証役場の手数料（５２，０００円程度）分安く設立ができます。
③ 最低資本金の額
最低資本金の額は、合同会社も株式会社も同じく1円以上で違いはありません。
④ 資本金の出資者
合同会社は資本金の出資者を「社員」と呼びます。
ただし、ここでいう「社員」とは従業員の意味ではなく、株式会社でいう「株主」と同じような意味です。
株式会社は発起人（ほっきにん）が資本金を出資し、会社の株式を必ず１株以上引き受けるというルールがありますので、必然的に会社の株主となります。
⑤ 資本金の出資者
合同会社の代表者は「代表社員」になります。
名刺の表記には規定はありませんので「社長」や「CEO」で表記することも可能です。
ただし、合同会社の代表者の名刺には「代表取締役」とは入れられませんのでご注意ください。
株式会社の代表者は「代表取締役」になります。
⑥ 役員の任期
合同会社の社員（出資者）に任期はありません。
株式会社の取締役の任期は、株式の譲渡制限がある場合は最大で10年、譲渡制限がない場合は2年の任期です。 監査役の任期は、株式の譲渡制限がある場合は最大で10年、譲渡制限がない場合は4年の任期です。
⑦ 節税のメリット
合同会社・株式会社は、個人と比べて節税メリットがまったく同じく受けられます。
（個人だと、経費の範囲が非常に狭く、経費として認められないものが多い）
⑧ 社外的な信用度
合同会社の社外的な信用度は、株式会社に比べると低いと言えます。
合同会社という制度はまだまだ認知度が低く、取引先からの信用度にかけるところがあります。
⑨ 決算の公告義務
「公告とは」会社から株主など利害関係者に対する「お知らせ」のことです。
株式会社は公告は義務となっています。「官報（国が発行する新聞のようなもの）」等を利用して公告します。
合同会社は公告の義務はありません。定款に定めても、定めなくても良いことになっています。
⑩ 重要事項の決定機関
株式会社の場合は、株主総会です。
合同会社の重要事項の決定機関は、社員（出資者）総会になります。
社員総会とは、株主総会と同じようなもので、会社に関する重要事項を決める決定機関です。
ご不明な点がございましたら、当事務所へご相談ください。